リリース当初からAIエンジン開発に着手
――貴社が提供する顧客対応クラウド「Re:lation」でもAIを活用していますか?「Re:lation」は2014年にリリースしたサービスですが、その頃からAIエンジンの開発に取り組んでいました。
2018年には、AIが問い合わせの回答内容をお薦めする「AIレコメンド機能」の提供を開始しました。AIが過去に来た問い合わせとその回答のデータを学習し、新たに来た質問について、過去の知見を基にお薦めの回答を1位から5位まで順位を付けて提示します。
お客さまからの問い合わせのキーワードを拾うのではなく、自然言語処理(NLP)を活用した意味解析を行い、お客さまのニュアンスを把握して、お薦めの回答を抽出しています。
日本語はいろんな言い回しがあります。「壊れた」と「動かない」は同じ意味になるので、そこを理解できるようにAIを開発しています。
お客さまの中には、この「AIレコメンド機能」を活用して年間4000時間を削減できたという企業もあります。
当社の試算でも10人で「Re:lation」をご利用いただいている場合、「AIレコメンド」を活用することで、年間約84万円のコスト削減効果があります。
当社の調査によると、問い合わせの6〜7割は、同じような質問が占めています。ウェブサイトで説明していても、問い合わせはなかなか減りません。
このような「よくある問い合わせ」には、「AIレコメンド機能」で効率よく対応できるようにし、人には人にしかできないことに注力してもらいたいと考えています。
――今年3月に生成AIと連携した機能もリリースしていますね。今年に入り生成AIが世の中を変える動きとして出てきたことを受け、生成AIエンジンと連携した「要約機能」を今年3月にリリースしています。
「要約機能」では過去のお客さまとのやり取りをボタン1つで要約することができます。
▲「要約機能」では過去のやり取りをボタン1つで要約できる購入までお客さまと30回以上やり取りする企業もあります。
それだけ回数が多いと、同じ担当者が対応していても過去のやり取りが分からなくなることがあります。担当者が変わる場合は、なおさら過去のやり取りを把握するのは大変です。
問い合わせ対応は「向き合うこと」だと思っています。お客さまが増えれば増えるほど向き合うことが難しくなるのは必然です。
問い合わせ対応はネット時代の接客であり、接客を軽んじてビジネスがうまくいくことはないと考えています。
この難しさを解決するために、AIを活用しています。