福井県と福岡県に複数の物流拠点を置き3PL事業を行う
アップル流通は10月、埼玉県羽生市に新たな物流センター「埼玉羽生センター」を開設する。東西にわたる3拠点体制が完成する。新センターでは、福井のセンター同様、冷蔵品の物流にも対応できる。
一方、福井のセンターでは8月、4台目となる自動梱包機を導入した。同社では、低コストでありながら、誤出荷率1ppm(100万分の1)以下を達成するなど、高品質なサービスを実現している。2024年問題が取りざたされる中、多拠点展開とDXを推進することで、物流品質とスピードの維持・向上を図っている。
物流支援体制、着々と
同社では、通販・EC企業の物流を支援する体制を着々と整えている。
年間700万件超の出荷実績を持ち、通販案件の約8割を、健康食品・化粧品が占めるという。既存案件の受注も安定しており、新規の受注案件も着実に増えていっているとしている。
同社では、化粧品・医薬部外品の製造業許可を取得しており、化粧品・医薬部外品の、ラベルの貼り付け、セットアップ・アッセンブル、ロット管理、チラシの同梱なども、拠点内で行える。
高度管理医療機器等販売業の許可を取得した物流拠点もある。そのため、コンタクトレンズや体温計などの取り扱いも可能だ。医薬部外品・化粧品から高度管理医療機器まで、ワンストップで対応できる。
2021年2月に福井県内で開設した、260平方メートルの冷蔵倉庫は、今年増床し、倍の広さにしたという。
2023年8月には、福井県内の物流センターに、同社としては4台目となる自動梱包機を導入した。通常稼働だけでも、1台で1日に8000件超の荷物に対応できるという。
「地方の3PL企業が、自動梱包機を4台導入しているケースは珍しいのではないか。2024年問題も控えており、人不足が深刻化しつつある。DXの推進によって、乗り切っていきたい」(営業部 前田浩範課長代理)としている。
10月から稼働開始
10月からは、「埼玉羽生センター」の稼働が始まる。福井・福岡・埼玉の3拠点体制が整う形となる。BCP(事業継続計画)の側面でも、より盤石なサービス提供が可能となる。
同社では、「2024年問題を目前に控え、放っておくと『翌日配達』などのサービスレベルが落ちてしまいかねない状況だ。拠点網を拡充・整備することにより、サービスレベルの維持・向上を図りたい」(同)としている。
新拠点は、冷蔵倉庫も備えており、常温品・冷蔵品の両方に対応できる。冷凍倉庫のスペースもあることから、「ノウハウを徐々に蓄積しながら、いずれは冷凍品の物流にも参入していきたい」(同)と話している。
価格競争力が強み
同社の強みの一つは、価格競争力の高さにある。福井県内の物流拠点の土地代は、関東エリアに比べると約半分で、顧客企業にその分をコストメリットとして提示できるという。
福井県というロケーションからくる翌日配送エリアの広さも強みの一つだ。
福井・福岡・埼玉の3拠点分散出荷も可能だ。例えば、福岡の拠点からは、九州各県の消費者に、翌日配送が可能だという。
同社では、クライアントの商品やサービスに寄り添った、梱包やシステムの提案を行うなどしており、〝現場力〟の高さにも定評がある。「かゆいところに手が届く」きめ細かなサービスが、クライアントの安心と信頼につながっているという。
ギフトラッピングなど、手間のかかる包装への対応能力にも日々磨きをかけている。
誤出荷率1ppm以下という配送品質の高さも、もちろん同社の強みと言ってよいだろう。
なお、同社では、東京営業所の機能も強化している。
今年3月には東京事務所を移転し、営業員を1人増員。計2人の営業員を常駐させ、フットワークの良い営業対応ができるようにしているという。
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