2023.08.25

【「ふるさと納税」特集】寄付額上位に聞く成功の秘訣!自治体アンケートでは8割が「5割ルール厳しい」


【寄付額59.1%増の理由は?】
佐賀県多久市 総合政策課 梶原聖司課長 ×(一社)たく21 真崎俊夫代表理事

「ワンプルーフが支援し魅力アップ」



佐賀県多久(たく)市では、2022年度(2022年4月〜2023年3月)のふるさと納税の寄付金額が、前年度比で59.1%増の11億1461万円となった。寄付額が大幅に増加した決め手の一つは、多久市と一般社団法人(一社)たく21が連携する中で、EC運用代行のワンプルーフからアドバイスを受けたことだったという。アドバイスを受け、地元の名産品である佐賀牛を使ったステーキやハンバーグなどの返礼品の、写真や品名、キャッチコピーを、従来よりもおいしそうでシズル感のある魅力的な内容に改めたとしている。多久市総合政策課の梶原聖司課長と、(一社)たく21の真崎俊夫代表理事に、寄付額を大きく伸ばせた経緯について聞いた。



▲佐賀県多久市 総合政策課 梶原聖司課長(左)、一般社団法人たく21 真崎俊夫代表理事(右)


アートで町おこしも


――佐賀県多久市のふるさと納税の取り組みについて教えてください。

梶原:多久市のふるさと納税では、地元で精製された佐賀牛のステーキやハンバーグが、人気の返礼品となっています。年間6回お届けする、佐賀牛の定期便や、希少部位のシャトーブリアン、各事業者さまこだわりのハンバーグが、特に人気です。

返礼品の申し込みの約9割が、佐賀牛に関連したものになっています。


▲佐賀牛を使った返礼品が人気

――ふるさと納税の寄付はどういった用途で活用していますか?

梶原:「地域の子供たちの支援」や「自然の豊かさの維持」など、さまざまな目的に活用しています。近年は豪雨などの災害も多いため、災害対策の施設の整備にも活用しています。

真崎:多久市では今後、アートをテーマに街おこしをしたいと考えています。4月には、多久市出身のアーティストで、米国を拠点に活動する池田学さんの企画展が実施され、市内外から多くの人が集まりました。

梶原:今後、アートを生かしたまちづくりにより交流人口を増やし、移住・定住のきっかけにしていきたいです。


1カ月ごとに施策の確認


――寄付額が大幅にアップしたと聞きました。きっかけは?

真崎:2015年に、多久市でまちづくり交流センターの管理運用などを行う(一社)たく21に、ふるさと納税の業務を委託してもらってから、本格的にふるさと納税への取り組みをスタートしました。多久市とたく21が、二人三脚で、時代の流れに合わせながら、寄付額をどう増やしていくかを真剣に考えてきました。その結果、2014年ごろまで年間1000万円程度だった寄付額が、2019年には9億円にまで高まりました。

梶原:多久市の人口は縮小傾向で、自主財源には限界がありました。ふるさと納税の寄付額を多く得ることができるようになってから、これまでできなかった行政サービスを充実させることができるようになりました。

真崎:多久市では、2021年ごろから、ふるさと納税へのさらなるテコ入れを検討していました。2022年に、縁があってワンプルーフに一部業務を委託しました。半年のサポートを受けた結果、2022年度の寄付額は、2021年度比で59.1%増加しました。

多久市ではこれまでも佐賀牛のステーキなどを返礼品として扱ってきましたが、返礼品の写真やキャッチコピーの言葉のチョイスに課題がありました。

そこで、(一社)たく21が、返礼品の写真を、プロのカメラマンがスタジオで撮影する方法を取り入れました。その上で、ECサイトのページ制作のノウハウがあるワンプルーフが、もっとおいしく伝わるように、画像の調整を行いました。

これまでは、キャッチコピーの文言も、丁寧に長く説明していましたが、伝わりやすさを意識して変更しました。

梶原:多久市とたく21では、変更した施策が有効だったかどうかを、1カ月ごとに確認するスキームも導入しました。現在は、ワンプルーフもその定例会議に参加し、寄付額の状況や施策の提案、検証結果の報告をしてくれています。その結果、施策の精度が高まり、多くの寄付者に刺さるページにすることができたと思います。

真崎:これからは、寄付の申し込みの増加につれて、返礼品の在庫の確保も課題になってきます。2023年末に向けて、多くの寄付者に返礼品をお届けできるよう、準備していきます。


■ワンプルーフ「自治体対象ふるさと納税運営代行」
https://www.one-proof.co.jp/business/furusato



<こちらもチェック!>

【注目のふるさと納税支援会社①】
サイバーレコード、高付加価値な返礼品で5割ルールに対応

https://netkeizai.com/articles/detail/9550


【注目のふるさと納税支援会社②】
新朝プレス、寄付額を33倍にした実績も

https://netkeizai.com/articles/detail/9551


【注目のふるさと納税支援会社③】
レッドホースコーポレーション、まちづくりをサポート

https://netkeizai.com/articles/detail/9549


【注目のふるさと納税支援会社④】
NE、「楽天ふるさと納税支援」に強み

https://netkeizai.com/articles/detail/9548







RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事