クラウド型在庫管理システム(WMS)のリーディングカンパニーであるロジザードは4月17日、都内で取引先や従業員を集めたイベントを開催した。従来サービスを現行サービスへ完全移行し、EOS(サポート終了)が完了したためだ。金澤茂則社長は「1つの使命を終え、次のページに進む」と抱負を語った。
ネット黎明期にサービス提供、逆風を迎える状況も
ロジザードは2001年、物流在庫管理ASP「ロジザードPLUS」のサービスを開始した。当時はインターネットの一般利用が始まって間もなかった。「それでもIT業界はインターネット技術の大きな可能性を見いだし、さまざまなアプリケーションを発表したころだ」(金澤社長)。
しかし、当時は回線品質が十分ではなかった。サポート体制、料金のアンマッチなどがあり、想像以上に利用が伸び悩む中、NTTドコモがiアプリ対応携帯を発売して、携帯向けアプリの急速な事業シフトが加速した。「わずか2~3年でほとんどがエンドサービスを迎え、逆風が吹き抜ける状況だった」(同)と振り返った。
物流業界向けアプリケーションを手掛けてきたロジザードも、黒字化できるのか全く見通せない苦しい時期が続いた。「周囲からは『早く撤退した方がいい』と何度も言われ、税理士から資金切れを報告されたときは、もう駄目だと、くじけそうになった」(同)と言う。
「ロジザードPLUS」を「ロジザードZERO」に移行へ
この20数年、ITの技術進歩は目覚ましく、「ロジザードPLUS」のサービス基盤は時代にそぐわなくなってきた。このため、クラウドWMS「ロジザードZERO」に完全移行し、新たな物流に進むべく、EOS作業を進めてきた。EOSプロジェクトは足掛け3年に及び完了させた。
金澤社長は、「『ロジザードPLUS』のEOSで1つの使命を迎え、次のページへ進む。今後も新しいアイデアと技術を取り入れ、サービスを強化して物流在庫管理の未来をサポートしていく。何よりも出荷絶対の精神を大切に、顔の見えるクラウドサービスで、お客さまの物流の安心・安全に貢献していく」と語った。