2022.12.28

サティス製薬 山崎智士代表「原価率が上がればF2転換率は上がる」 売上をアップする『商品開発』黄金の法則【「D2Cフォーラム」ダイジェスト<第5回>】

サティス製薬 山崎智士代表取締役


増加する市場の要求


田岡:
ユーザーが抱えている外観の課題、つまり、市場の要求が増加しているというデータについて聞きたい。

山崎:全国に約300社あるOEMのうち、情報提供してくれた30社の1983年から2010年までのデータをまとめた。この30年、市場規模が大きくなっていることが、小売価格の総額が上がっていることからも分かっている。

これは、消費者の「もっときれいになりたい」「もっといいものが欲しい」といった要望が増加していると捉えることができる。このように、商品が毎年増え続ける世界の中で、上がっているコストが広告費だ。消費者に存在をより知らしめるために広告費が上がり、その一方で原料費は下がっている。

田岡:つまり、品質が下がっているということか。

山崎:そうなるだろう。ただし、言い換えれば、商品や体験のインパクトは出しやすい土壌になっているといえる。

田岡:F2転換率と原価率の関係のデータについても聞きたい。

山崎:原価率が上がると、F2転換率は上がる。ということは、品質が下がって薄い内容の商品が増えるなかで、濃い内容の商品を出すことができれば、認識してもらえるということがいえる。

田岡:化粧品のなかでも、化粧水のF2転換率は低いようだが。

山崎:化粧水はCPAが高く、原価のわりに手軽に使える価格設計をしてもリピートが難しい。しかし、気に入ってもらえると、他の商品をクロスセルしやすくなるのが化粧水だ。CPAが低く、消費者を獲得しやすいのが、クレンジングや洗顔だ。しかし、すぐに洗い流すアイテムでもあり、クロスセルが難しいという課題がある。最もバランスがいいフロント商品が、肌につけて実感しやすい美容液やクリームだろう。

こういったことに加え、商品から得られる解決策やユニークさ、ブランドらしさといった体験を事前に消費者に伝えていくことも重要だと考えている。





RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事