「競合」把握と「4段階セールスコピー」で表現
この流れのうちのクリエーティブに関してだが、「誰に」「何を」「どのように」伝えるかという点がコミュニケーション設計の基礎になる。
「誰に」「何を」については、どのようなタイプの「ユーザー」が何種類いて、それぞれのユーザーが「商品」に対してどのような便益を求めているかを分析し、それらを掛け合わせて設計していく。
さらに、ユーザータイプには、それぞれの「競合」が存在する。その「競合」を掛け合わせていく必要もある。
「競合」に関して重要なことは、「プロダクト競合」と「メソッド競合」を分析することだ。例えば、育毛剤が商品の場合、前者は他社の育毛剤の商品、後者はAGA治療などがそれに当たる。そこで、自社商品のメーンの競合が、「プロダクト」なのか「メソッド」なのか、その両方なのか、あるいは競合がないのかといった分析が必要になる。
その競合を、自社商品の特徴やユーザータイプと掛け合わせることで、「誰に」「何を」を設定するUSP(独自の強み)を見つけていくことができる。
次に、「どのように」伝えるかという表現方法について、「4段階セールスコピー」というものがある。
育毛剤を例にとると、第1段階は「どこで使うか」。サロン通いか、自宅でのケアかといった違いだ。育毛剤なら、いつでもケアでき、いつでもやめられる、自宅でのケアにメリットを見出すことができる。
第2段階では、自宅でケアする場合の育毛系サプリメントと比較する。育毛剤のメリットは、気になる部位に直接成分が届くことだ。
第3段階で、育毛剤のテクスチャーを比較する。サラサラタイプとベトベトタイプ。頭皮にしっかりとどまってじっくり浸透するベトベトタイプにメリットがあるという流れになる。
最後の第4段階として、他社商品と比較してメリットを挙げる。この4段階の結果、「育毛は長期で取り組むことだからこそ、自宅で無理なく続けたい。自宅で続けるなら、成分がダイレクトに届く育毛剤がおすすめ。さらに、成分がしっかり浸透するベトベトタイプがおすすめ。その育毛剤はコレですよ」といったコピーが完成する。
競合の商品一つひとつと比較していくのは大変な作業だが、このように全体で、及びグループで戦っていくことで、効果的なファンダメンタルズクリエーティブに落とし込んでいくことが可能になる。
(つづく)