2022.09.23

【データに見る「ECの地殻変動」】<第6回>EC市場調査から見える次の一手!いち早く2022年の市場規模予測


今こそ越境ECに進出を


以上は国内の話。越境ECはどうだろう。報告書では日本から中国向け越境ECが2兆1382億円と初めて2兆円を突破。中国の陰で目立たないが米国向けも1兆2224億円と大きい。

おのおのの2016~2021年の年平均成長率は15.58%と14.71%。越境ECは引き続き力強い。だが全世界に目を向けると、越境ECでは中国からの購入比率が高い国が多く、特に欧州でその傾向が強い。経産省の数字を見ると、あたかも日本製品が越境ECで全世界に売れている感覚に陥るがそれは錯覚だ。

でも指をくわえて見ているわけにもいかないだろう。現在、円安が日本経済を直撃しているが越境ECにとっては追い風。円安のうちに越境ECの仕組み作りを強化しておく策は有効だと思う。

今は中華圏や米国が販売先の中心だがこれからはASEAN諸国にも注目したい。タイ、ベトナムなどASEAN10カ国の小売市場は少なくとも120兆円と推測される。これは日本の小売市場に近い値だ。規模的に中華圏には劣るが、それでもASEANの小売市場は魅力的に映る。

とまあ雑感を述べたが、要するに日本経済においてECは極めて重要な存在だと主張したい。市場規模が大きいと新たなイノベーションの創出を期待できる、これが主張の理由だ。

停滞する日本経済にとってイノベーションの創出は不可欠。ECはその土台に必ずなれる。そのためには有能な人材の流入、ソリューションの増加、攻め守り両面での法制度の整備、知恵の集結が必要。本コラムのタイトル通りECが日本経済の地殻変動の主役になってほしい。









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