Un Cafe Sucre(アンカフェシュクレ)では現在、デカフェ加工と焙煎ができる自社工場の設立に向けた取り組みを進めているという。「スペシャルティコーヒーで、国内デカフェ加工」という他社にはない特徴が同社商品の強み。今後も安定供給を行っていくため、事業規模の拡大を目指しているという。
同社ではこれまで、デカフェ加工は国内の工場に委託していたという。2022年に入り、委託先の方針が変わり、デカフェ加工をやめてしまったことが工場設立を考え始めたきっかけのようだ。「国内加工を始める前は、海外加工のデカフェを販売していた。海外加工に戻すことも考えたが、『安全性』『新鮮さ』を考慮すると、戻すことは難しい。そこで自社工場の設置を考えた」(楡井有子社長)と話す。
自社工場は、商品の安全性が伝えられるよう、デカフェ加工や焙煎の工程を見学できる構造にしようと考えているという。
▲楡井有子社長「海外でデカフェの需要は急拡大していると聞いている。パンク状態の工場も多い。デカフェの加工工場は、欧米にしかないので、国内で加工ができればアジア圏での需要拡大にもつながるかもしれない」(同)と話す。製造量が増えてくれば、アジアを中心に越境ECを展開する狙いもあるという。
「工場といっても、当社の規模では、大規模なものは難しい。大量生産ができるわけではない」(同)と言う。薄利多売ではなく、より付加価値の高い商品を製造、販売していく方針のようだ。
「スペシャルティコーヒーやゲイシャのような希少価値の高いコーヒーのデカフェは、他にはない商品だ。そういった他社には真似できない商品を強みにしていきたい」(同)と話す。
「スタートの製造量は、まだまだ安定供給とは言えないレベルになるだろう。まずは事業規模の拡大を目標とし、以前と同様の製造量を目指したい」(同)と話している。