2022.08.14

【インタビュー】大網 金坂瑞樹 副社長「売上高は253億円に 海外販売が国内と同規模に」


不正購入対策に尽力


――国内の販売状況はどうか?

国内事業も、「本店」(自社サイト)を筆頭に販売が拡大している。その中心となっているのは2万円以上の高単価フィギュアの予約販売商品だ。中長期間の連絡や、高度な顧客応対を必要とする予約販売商品を、スムーズかつ気持ち良くお客さまに届けられるよう、「本店」のサービス改善を日々続けている。

サイト運営で課題となっていたのが、特定の人気商品販売時に生じていたボットによるアクセス集中だ。高額転売のための購入と考えられる特定IPによる大量の不正アクセスでサーバー障害が発生し、大多数の善良なユーザーに不利益が生じるといった問題も近年起きていた。

対策として、サーバーの強化に加え「reCAPTCHA(リキャプチャ)」というボット対策ツールをサイト内に導入した。ユーザーに写真や画像を用いた質問を提示し、その回答の正誤でボットかどうかを判断するものだ。

ボット対策はホビーEC業界が慢性的に抱えている課題でもある。「reCAPTCH」はユーザーの購入までの手順を増やすものではあるが、SNSやホビー専門メディアでは「あみあみが転売対策に動いた」などの声をいただき好意的に受け止められている。

また、購入の殺到があらかじめ予測される人気商品は、申込期間を定めた抽選販売を積極的に実施している。公平性を担保した予約商品の販売手法は、今後も運用を通じて改善し続けなければならない。

「支店」(モール店舗)では、出品商品に対する制限が年々厳しくなってきている印象だ。例えば、肌露出が多いフィギュアなどはモールの規約違反にあたり、出品が制限されるケースも出てきている。

予約販売商品のフィギュアという特殊な商品を販売する上で、「支店」のルールが増える中、「本店」の利便性を向上させることでユーザーが「本店」へと集まる流れが近年続いている。


活気戻る秋葉で


――コロナ禍以降の実店舗の状況は?

秋葉原にある実店舗も、コロナ禍以前の運用状況に戻りつつある。その中で、ポップアップストアなどECと連動した取り組みも段階的に進めている。今後、海外からの観光客の増加が予測される中、感染対策を徹底しつつ、より規模の大きなイベントも店舗内で実施していく。

来店した海外インフルエンサーとのコラボイベントは、商材や店舗の特性を生かした当社の特徴的な取り組みだ。自社のオウンドメディア化を進めていくとともに、発信力を持つ個人・企業との協業を積極的に実施し、国内外でのブランド認知向上につなげている。




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