2022.06.24

BEENOS、「円安」で越境EC市場の拡大ペースが加速 支援サービス無償化で導入件数10倍に

BEENOS 直井聖太CEO

越境EC支援大手のBEENOSは6月17日、「上半期 越境ECトピックス」発表会を開催した。コロナ禍で海外ユーザーのデジタルシフトが進み、越境EC市場は拡大傾向にある。さらに円安が進行したことで、その拡大ペースが加速しているという。5年2カ月ぶりの円安水準に達した3月11日以降、10日間の越境ECにおける購入金額は以前と比較して18.8%伸びている。

海外ユーザーの購入代行サービス「Buyee」では、コロナ禍となった2020年以降に流通総額が増加傾向にあり、円安傾向が強まっていった2021年以降は増加ペースが加速している。

「Buyee」経由の流通指標は今年3月11日以降、購入金額だけではなく、ユニークユーザー数は10.9%増、顧客単価は1102円増となっている。

  

BEENOSの直井聖太CEOは、「円安は輸出において追い風となっている。円安が進んでいった3月は『Buyee』の購入件数や購入金額は上昇した。IRの関係上、詳細は言えないが4、5月も変わらず前向きな状況だ」と話す。


▲直井聖太CEO

越境ECにおける購入者の国・エリア別伸長率を見ると、1位がブラジル、2位がメキシコとなった。年齢別では1位が19歳以下、2位が25~29歳となった。既存のメインストリームというよりは、越境ECが進んでいなかったエリアや世代の購入が、円安によって後押しされている状況のようだ。

 

BEENOSの子会社で越境EC支援を手掛けるBeeCruise 執行役員 本間哲平氏は、「ブラジルの通貨であるレアルは、ドルと比べると2倍くらい円安が進んでいる。メキシコの通貨であるペソもドルより円安が進んでいる。円安が越境ECのきっかけになったようだ」と話す。


▲BeeCruise 執行役員 本間哲平氏

今年5月の越境ECの商品ジャンル別の購入金額ランキングでは、1位がポケットモンスターのトレーディングカード、2位がアニメのフィギュアとなった。これまでも人気の高かったジャンルが上位に並んでいるが、「外装・エアロパーツ」「東洋彫刻」といった高額な商品もランキングに入ってきた。

 

本間氏は、「高額帯の商品や資産になりやすい商品がランクインしている。外装・エアロパーツは東南アジアからの購入が多い。東洋彫刻は木彫りの仏像などだが、金額は数万円から、高くて20万〜30万円する。こちらは中華圏から買われることが多い。円安が高額商品の購入を後押ししているようだ」と話す。

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