2022.04.12

オートストア・システム、ロボットストレージシステムの機能拡充 ピッキングロボットが2階建て倉庫にも対応

多層階倉庫の新設備と新ロボットを発表した

ロボットによる自動ピッキングシステム「オートストア・システム」を提供するオートストア(本社ノルウェー)の日本法人であるオートストア・システム(本社東京都)3月22日、2階建て以上の倉庫でも、ロボットによるピッキングができる新設備「Bin Lift(ビンリフト)2.0」の提供を開始した。「ビンリフト2.0」を導入した海外の物流倉庫では、スペース効率を最大化できるようになったとしている。同日開かれたオンライン記者会見では、1月22日にリリースしていた、新しいピッキングロボット「R5+(アールファイブプラス)」についての発表も行った。

「ビンリフト2.0」では、倉庫内スペースを柔軟に活用することにより、ビン(商品を収納する箱)の到達範囲を広げることができるとしている。倉庫の床面積を減らしたり、倉庫内で発生するコストを削減したりすることが可能になるという。

「ビンリフト2.0」は、グリッド(商品が保管されたビンを収納する棚)が複数のフロアにまたがって設置された巨大な倉庫などで利用するのに、有効な設備だという。2階以上のグリッドでロボットがピッキングしたビンを、「ビンリフト」を通じて、1階のポート(パッキングスペース)へと運ぶことができる。フロアごとにポートを設置する必要がなく、ポートの設置費用や人件費をカットすることができるという。

海外の、ある小売企業の倉庫では、1カ所で350万点以上の商品を保管できる、世界最大級の2階建て倉庫に、「オートストア・システム」と「ビンリフト2.0」を導入した。「ビンリフト2.0」を設置したことにより、ピッキングしたビンを、上の階から下の階へと下ろせるようになった。それまで、バラバラの9カ所の倉庫に商品を保管していたが、1カ所に拠点を集約することで、人件費や在庫管理にかかる時間などを大幅に圧縮することができたとしている。

同日発表された新型ピッキングロボット「R5+」は、これまでオートストアの標準的なロボットだった「R5」をベースに開発した。「オートストア・システム」の中でも、最も背の高い425㍉㍍のビンを含めたすべてのビンを扱うことができる。大きなサイズの商品を扱う企業や、品目数の多い企業にとって、メリットが大きいという。3月22日には、世界各国での提供が可能になったという。


【オートストア・システムとは】
物流倉庫でピッキングを行うロボットストレージシステム。「グリッド」と呼ばれる収納スペースを倉庫に設置し、「ビン」と呼ばれる箱に商品を収納する。受注システムやWMSのシステムと連携したロボットが、自動で「グリッド」の上部を移動し、商品が収納された「ビン」をピックし、窓口まで運ぶ。ハヤブサやニトリ、マルイのほか、国内では50社に導入した実績がある。世界では900社が導入しており、約3万5000台のロボットが稼働している。



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