2022.03.29

増加するランサムウェアの脅威、徹底したクラウド思考で立ち向かう<Wasabi Technologies デビッド・フレンドCEO>

2021年はランサムウェアの被害が最悪に

2021年7月、史上最悪のランサムウェア攻撃によって、世界中の1500もの企業が危険にさらされました。ランサムウェアの攻撃による被害は、内容が悪化しているだけでなく、増加傾向にあります。FBIは2020年、前年比20%増の約2500件のランサムウェアによる被害の報告を受けました。2021年は、Colonial Pipeline(コロニアル・パイプライン)やSolarWinds(ソーラーウインズ)といった企業への攻撃・侵害が続発したことによって、史上最悪の年になりました。企業や組織は、これらの攻撃による壊滅的なデータ損失の防止に苦労しています。被害やシステムの停止を回避するため、クラウドバックアップの有効性に注目するようになっています。

クラウド業界は、堅固な容量と、手動による維持管理に基づいて成り立っていいます。そのため、多くの企業はクラウドを活用して、すべてのデータを効果的にバックアップし、保存する適切な方法を、まだ見つけられていません。セキュリティー上の懸念が高まる中、ストレージに関して「クラウドを活用しない」という制限は、データを危険にさらすという結果をもたらしています。

クラウドへのデータバックアップを検討する際、企業が直面するいくつかの課題について詳しく見ていきましょう。


クラウドの難題


企業は、かつてないほど多くのデータを抱えています。そのため、企業のIT部門が、膨大なデータを適切に保存し、バックアップすることは、困難ですし、時間もかかります。多くの企業や組織にとって、データのクラウド移行・保存は当然の選択肢です。主要なクラウドプロバイダーでは、ストレージ容量が制限され、ベンダーが固定され、上り・下り転送においての高額サービスフィーが伴います。簡単かつ柔軟にデータアクセスしたいと考える開発者には、敬遠されてしまいます。

幸いなことに、クラウド業界はこのモデルから脱却し、柔軟で予測可能、かつ安価で多様にパーソナライズされたストレージソリューションを提供し始めています。これは私が「徹底的なクラウドの進化」と呼んでいるもので、IT部門がどれだけのデータを保存またはバックアップしているのか疑問に思わないほど、ストレージの価格が低くなってきています。転送(下り/上り)のサービス料金も同様で、企業はクラウドをフル活用することができます。

この移行はまだ進行中ですが、多くの企業にとってクラウドが、増加するランサムウェアの脅威に対処し、データを安全に保つための、より現実的なバックアップオプションになることを後押ししています。

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