2022年のEC業界はどう動くのか――EC業界の”現場”を取材で駆け回る「日本ネット経済新聞」の記者が集まり、「2022年のEC業界予測」を語り合った。テーマは①OMO ②物流 ③コンプライアンス ④越境EC ⑤商品調達 ⑥ライブコマース ⑦メタバースーーの7項目。記者が取材で見てきた変化を振り返りつつ、今年のEC業界の行方を占う。記者の写真とともに、それぞれが掲げるEC市場を攻略するための「2022年のキーワード」も掲載している。
【⑥ライブコマース編】司会:ライブコマースは、なかなか難しいというイメージがあったが、コロナ禍でライブ配信とかも一般化し、風向きが変わりつつある。
大多:YouTubeやインスタグラムが浸透した影響が大きい。スマホで動画を見たり、その動画に対して何らかのアクションを行ったりすることに対するハードルも、この1~2年で大幅に下がった印象がある。
手塚:海外市場での動きなどを考慮して、長い目で見れば、動画を見て商品を買うって行為は当たり前になっていくという共通認識もある。「楽天市場」が以前実施していたライブコマースを最近また再開するなど、プラットフォーム側も積極的になっている。その中でも売れる店舗と売れない店舗といった濃淡は出てくると考えられるが、そこのチャンス自体は広がっている。
高野:美顔器を販売しているARTISTIC&CO.GLOBAL(アーティスティックアンドシーオーグローバル)という企業が「独身の日」の期間中に50億8000万円の売上高を上げた。どういった施策が奏功したかというと、やはりライブコマースだという。社長自らがライブコマースに熱心に出演していたり、インフルエンサーを立てたライブコマースを充実させたりしている。こうした取り組みはライブコマースの内製化も含めて注視している。
ライブコマースというと「期間限定」という言葉を活用した販促も見受けられる。視聴者限定の抽選企画、抽選プレゼント企画を実施している企業も取材先で複数あり、こうした特別感のあるコマースというのも、台頭してきているのかと思い注目している。
高野真維 記者
【2022年のキーワード
「パーソナライズ化加速」】
2022年は、各社による顧客一人一人にセグメントした商品・サービスの提案がますます加速するのではないか。