2021.10.29

スペルデータ、大規模ネットワーク障害の防止につながる「BGP監視サービス」提供開始

竹洞陽一郎社長(写真左)が率いるSpelldataは「BGP監視サービス」を提供開始した


デジタル体験の計測・分析・改善のリーディングカンパニーSpelldata(スペルデータ)は10月26日、オンライン計測・監視サービス「SpeedData(スピードデータ)」の新サービスとして「BGP監視サービス」の提供を開始した。安定したデジタルサービスの提供に役立つ。スペルデータは、アクセスの多い大規模ECサイトで特に重要になると考えている。ネットワーク障害を未然に防いだり、障害が起きてもすぐに原因を見つけて、復旧につなげることができる。


BGP監視サービス」を導入すれば、スペルデータがすでに提供している「API計測・監視サービス」と同様に、事前または即時にネットワーク障害の原因が分かる。

BGP(Border Gateway Protocol)とは、インターネット上のルーティングプロトコルのこと。ルーティングプロトコルとは、インターネットのデータをネットワークから別のネットワークに送信する際の最短ルートを決定するために使用するシステムを指す。接続問題のトラブルシューティングなどに役立つ。

BGPの主な役割は、他のBGPシステムと到達可能性情報を交換し、トラフィック(一定時間内にネットワーク上で転送されるデータ量)を効率的に誘導すること。ルートは世界中で絶えず発表されたり、削除されたりしているという。

BGPはセキュリティを重視して設計されていないため、非常にぜい弱なプロトコル(通信に関する規格)であり、ルートのリークやハイジャックが発生しやすくなっている。そのため、スペルデータは、安定したデジタルサービスを提供する上で、BGPの監視は非常に重要としている。

SpeedDataの「BGP監視サービス」は、Google(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト)などのテクノロジー企業をはじめとして、数多くの欧米のEC事業者やエンタープライズ、Verizon(ベライゾン)などの通信企業で使われている、ウェブパフォーマンス監視・計測ツール「Catchpoint(キャッチポイント)」のシステムを採用している。

スペルデータが提供しているサービスの導入企業では、先行して「BGP監視サービス」を導入している。

スペルデータは、今後もデジタルサービスの高速安定運用を支えるためのデジタル体験監視のサービスを拡充していく。

【「BGP監視サービス」の概要】
■ BGP監視したいプレフィックス(ネットワークを規定する番号)と、アラートの送付先メールアドレスを登録
■ 消費ポイント: 1プレフィックスあたり1時間2ポイント×24時間×365日=1万7520ポイント。
■ 価格: 1プリフィックスあたり年間6万6000円(税込)。※ボリュームディスカウントあり
■ アラート/レポート機能


正常な場合


問題が発生している場合


BGPで障害が発生している経路の確認

【「BGP監視サービス」提供の背景】
2012年にMis-Origination(BGPルータにおける誤った経路情報)を発見することができる
RPKI(=アドレス資源の割り振りや割り当てを証明するための公開鍵基盤。RPKIの基本的なデザインはインターネット経路制御の安全性向上のために考案された)が、RFC6480(技術仕様)として規定された。

国内では、JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)のRPKI試験提供で、IPアドレスの分配を多く受けている20社のうち、7社が利用を開始しており、IPv4(インターネットプロトコルの第4版)については44.6%、IPv6(同第6版)は57.2%と、まだカバー率が半分程度だという(※)。

海外では、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)の調査では、2021年2月16日の時点で、72.40%の経路がカバーされていない。

BGPの障害はインターネット上でのサービス提供を根本から不可能にしてしまう。近年、BGPの障害によるサービス停止は増えている。安定したシステム運用を目指す上で、BGP監視による見える化が鍵を握るという。

クラウド上でシステムを展開している場合には、そのクラウドサービスのネットワークのルー
ティングの監視を行い、品質の監視をベンダーが提供する監視とは別に行うことが、商法526条で定める企業のサービスや商品の検収においても重要になるとしている。

JPNIC調査
https://www.soumu.go.jp/main_content/000744741.pdf

▶▶「BGP監視サービス」の詳細はこちら
https://spelldata.co.jp/press_release/2021_10_26.html

▶▶Spelldataのサービス紹介ページ「SpeedData」はこちら
https://speeddata.jp/

▶▶Spelldataへの問い合わせはこちら
https://spelldata.co.jp/contact/inquery_for_services.html

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