こんなもの売れるの?――思わずそう言いたくなるような「隙間(ニッチ)」商品がECで売り上げを伸ばしている。店頭では絶対に売れない商品を、欲しがる少数の消費者の手元に届けることは、ECの得意技の一つだ。インソールの販売を行うテンシャルでは、ウェブメディアなどを使った潜在顧客へのアプローチが奏功、売り上げが毎年、前年比約10倍のペースで伸びている。ボディービルダーに人気の日焼けするサプリや、皿立て、貝殻、万華鏡など、「隙間」から、たくましくヒット商品を生み出すEC企業を紹介する。
【CONTENTS】
①『皿立て専門店 わにぞう商店』、「立てたい」要望に応える 皿立て100種類を販売
②『テンシャル』、毎年約10倍成長 「足の形」で悩みにアプローチ
③『アモシア』、継続率は驚異の95% 競合なしの”日焼けサプリ”
④『ホームテリア』、500種超の貝殻を販売 楽天の売れ筋は「ヒトデ」
⑤『カレイドスコープ昔館』、一点ものの万華鏡EC 100万円超の”作品”も
『皿立て専門店 わにぞう商店』、「立てたい」要望に応える 皿立て100種類を販売
皿立て専門店わにぞう商店は2011年から、同名のECサイトを運営している。開設当初はプラスチック製の皿立てを販売しており、初月の売り上げは10万円だったという。開設から10年が経ち、商品ラインアップも大幅に増加した。今では「立てたい」という要望をもった顧客が全国から大勢訪れるECサイトになっている。
多様な「皿立て」を販売する
現在販売している皿立てはおよそ100種類。プラスチックの他に、金属製や木製、真鍮製の商品も販売している。小型の皿立ては100円を切る商品もあり、ほとんどの商品が1000円以下の価格設定となっている。「一般客だと、88円の商品を1個だけ買うなんて人もいて、送料の方が高いことも多い」(丹羽弘蔵社長)と話す。
サイズやデザインも多様なため、皿以外のものも立てられないかという要望も多いという。「一番珍しかったのは、チャンピオンベルトを立てたいという問い合わせだった。アンティークドールというのもあった。少しレトロな皿立てが大河ドラマに使われたこともある」(同)と話す。皿以外でもサイズと形状が分かれば、対応が可能なのだという。
「記念品でもらったり展示会で使ったりと、意外に需要はあると感じている。皿を持って買い物には行けないし、店舗ではラインアップも多くない。EC向きの商材だと思っている」(同)と話す。
「今後は皿立てだけでなく、『スタンド』の専門店として、幅広く対応していけたらと思う」(同)と話している。
『皿立て専門店 わにぞう商店』
https://syouten.wanizou.com/