2020.07.22

【記者コラム】コロナで逆にできるようになったこと

オンライン接客に新たな可能性

先日、アパレルECの専門家の川添隆さんが、“ウェブ接客”について話す様子を取材しました。アパレルECでは、家に居ながらにして、ショップ店員にコーディネートを教えてもらえる「Zoom接客」が広がっているようです。

川添さんによると、「Zoom接客」の最大の妙は、お客さまのクローゼットの中身を見るチャンスがあることだそうです。お客さまのクローゼットを見れば、お客さまの洋服の趣味は一目瞭然ですから、実力のあるショップ店員であれば、お客さまの趣味に合わせた最適な洋服の組み合わせの提案ができる可能性があるというのです。

川添さんは、「『Zoom接客』は、他のお客さんの存在などの“ノイズ”がある状態の店舗での接客と比べて、没入感がある」と話していました。お客さまのクローゼットを見せてもらえるような、パーソナルな関係を築くのも、ワン・トゥ・ワンのZoom接客であれば、実現しやすいのかもしれません。

実は、化粧品の対面販売の現場でも、同様の現象が起きているようです。

ポーラは5月から、サロンでの対面での接客時間を減らすため、来店前に、オンラインでの肌カウンセリングを実施しています。販売員が、顧客の肌の状態や生活習慣をあらかじめヒアリングすることで、来店時に、最適なエステや化粧品を提案できるようにするというものです。

ポーラのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する担当者に、オンラインカウンセリングの取材をした際に、アパレルECの“Zoom接客”の話をしました。すると、オンラインカウンセリングの現場でも、お客さまの化粧ポーチを見せてもらうという取り組みが行われているそうです。

ベテランの販売員は、お客さまの化粧品を見れば、お客さまがどんな肌悩みを抱えているのかや、普段どんなお化粧をしているのかが、分かるそうです。商品提案やお客さまとの関係性の構築にもつながると言っていました。

コロナの影響で、対面で接客する機会が減ることで、逆にこれまでできなかったことができるようになるという側面もあるようです。

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