2024.07.02

【新社長に聞く】クラダシ 河村晃平社長「EC、サプライチェーン、新規事業で成長」

代表取締役社長CEO 河村晃平氏


ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi(クラダシ)」を運営するクラダシが業績回復に向けて動き出している。2023年7月―2024年3月期(第3四半期)の売上高は前年同期比4.4%減の21億2700万円だった。取締役執行役員CEOから7月1日付で代表取締役社長CEOに就任した河村晃平氏は、「今期は第1四半期の食品値上げの影響が大きかった」と説明する。河村代表取締役社長CEOに今期の振り返りと今後の復調策を聞いた。


2024年1‐3月期(純第3四半期)の売上高は前年同期比1.0%増の7億7000万円だった。主力のEC取引は同4%増と着実に伸びているものの、思うようには成長できていない。

OMOサービスである「Kuradashi Hub」取引は、前年同期にスポットの取引があり、その反動で減収となった。ECマーケティングサービスの「Kuradashi Stores」の取引は大型の案件獲得により、同27%増の売り上げに成長した。

ECの成長は確実なアクティブ企業数の積み上げが商品供給力の強化へとつながり、ユニークユーザーと購入回数の増加につながっている。

稼ぐ力の指標として、当社が重視している純第3四半期の限界利益(売上高から売上原価と配送料などの変動費を控除した金額)は、同2.2%増の1億8800万円だった。営業利益も600万円の黒字となり、四半期での黒字化達成を継続した。


3つの柱で成長


今後は3つの柱で成長していく。それは主にEC事業の拡大とサプライチェーンにおける機能拡張と新規事業(M&A含む)による非連続の成長だ。

EC事業の拡大では、パートナー企業とユーザーの拡大を強化していく。マーケットプレイスのモデルを強化し、企業が簡単に参加できる仕組みを構築していく。

サプライチェーンの拡張では、「Kuradashi Hub」、「Kuradashi Stores」、フルフィルメントサービスの「Kuradashi Base」、商品開発の「Kuradashi Forecast」に力を注ぐ。

新規事業においては、既存事業領域では、既存パートナーとのシナジー創出で成長を図っていく。一方で新規事業領域や、リソース・時間がかかる領域に関しては、積極的にM&Aの機会を模索していく。




【記者の目】
フードロスの市場規模は8500億円あると言われており、クラダシが成長する余地は大いにある。取材をしていて本当に社会に優しい企業だと思う。

あとはどうやってフードロスに関心のない層を振り向かせるかだ。広告の運用、イベントだけではない次の新たな施策が必要なのかもしれない。






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