2024.06.19

教育キット「ユニコーンラボ」に想定の3倍の注文 「子どもの自立支援」に注目集まる

永野天実社長と「ユニコーンラボ」の家庭用野菜栽培キット

ユニコーンポポは今年6月5日、子どもの経済的自立をサポートする教育キット「ユニコーンラボ」の販売を開始した。初回生産分の100台は、予約受付を開始した翌日に完売。想定の3倍を超える300台超の注文を受け、発表から1週間で3カ月待ちの人気になった。今後、1年間で販売数1万台という大きな目標を掲げている。

「ユニコーンラボ」は家庭用野菜栽培キットと、専用ウェブアプリを組み合わせた商品となっている。対象年齢は5~15歳。販売価格は3万2780円(税込)。


▲「ユニコーンラボ」は家庭用野菜栽培キットと専用ウェブアプリで子どもの経済的自立を支援

子どもはウェブアプリ上のプラットフォームで、栽培した野菜を家族に向けて出品・販売して収入を得る仕組みだ。家族はウェブアプリにチャージし、そこから野菜の代金を支払う。子どもにただお小遣いを与えるのではなく、野菜の対価として利益を提供することで、自立心を養うことができる商品だ。


大学生時代に発案、コンテストで最優秀賞


永野天実社長は大学生のころ「ユニコーンラボ」を発案した。

「私自身、幼少時代からスイーツを作って家族に売っていた。家族の好みを把握して調理・販売していたので、マーケティング的な視点も養われた」(永野社長)と話す。


▲スイーツを家族に販売していた幼少期の永野社長

2023年6月にはマイクロソフト社主催の日本最大級のビジネスコンテスト「IDEACTIVE JAPAN PROJECT(アイデアクティブ・ジャパン・プロジェクト)」にて最優秀賞を受賞。そこで得た賞金を活用して、今年1月に起業し、「ユニコーンラボ」の販売に至った。


▲マイクロソフト社主催の「IDEACTIVE JAPAN PROJECT」で最優秀賞を受賞


ユニークな発想にメディアが注目


想定の3倍を超える注文を集めた背景には永野社長のユニークな発想に、以前からメディアの注目が集まっていたことがある。

コロナ禍には、メロンパンをマスクに見立てた「マスクパン」を発案・販売した。国内のメディアをはじめ、ユニークなアイデアは国境を越え、米国のメディアでも取り上げられた。

「遊び心のある発想はマスクパンから一貫している。『ユニコーンラボ』は子どもの成長や自立を促す、より意義のある仕組みとして、メディアの注目を集めることができた」(同)と話す。

「ユニコーンラボ」の魅力は、子どもが短期間で成功体験を積み、新たな気付きや発想を得られる点だ。

「野菜は植えてから20日程度で収穫・販売できる。野菜の販売で得られる安定的な収入や知見をもとに、子どもからさらなるアイデアが出ればより良い」(同)としている。


▲実証実験に参加した子どもたち

実際に、ウェブアプリを通じて、100点のテストの答案用紙を出品する子どもや、祖父母にスマホやPCの初期設定サービスを売る子どももいるという。

今後は「ユニコーンラボ」を筆頭に、子どもが自ら稼ぎ、経済活動に参加できるような事業を展開し、子どもの社会的成長に貢献したい考えだ。

「私自身、勉強もスポーツも得意ではなかったけれど、お菓子作りがあった。好きなことを続けてきたから今の自分がある。昔の自分のような子どもたちに向けて、事業を通して『好きなことを続けてみなよ!』というメッセージを発信していきたい」(同)と語った。








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