統合コマースプラットフォーム「ecforce」を提供するSUPER STUDIOはこのほど、「メーカーおよび小売事業者のデータ活用の実態に関する調査」を実施し、その結果を公開した。販売チャネルが多角化している理由は「消費者動向の変化」が37.5％ともっとも多く、販売チャネルの多角化による課題では45.5％が「人的リソースの不足」を挙げ、店舗の運営のノウハウより、リソースや予算の不足に課題があることなどがわかった。
SUPER STUDIOは、2024年3月21日～3月28日の期間、メーカーおよび小売事業者の経営層・事業責任者・マーケティング担当者/責任者535名を対象に、データ活用に関する調査を実施した。
直近3年間の販売チャネルにおける変化をたずねた問い（複数回答）では、「既存のECサイトをリニューアルした」が30.1％でもっとも多かった。「新たにECモールへの出店を開始した」が27.7％、「直営店（路面店等の独立型店舗）の出店を開始した」が23.0％、「新たにECを始めた」が22.6％で続き、EC関連での変化が顕著な結果となった。
販売チャネルが多角化している理由をたずねた問い（複数回答）では、「消費者動向の変化」が37.5％もっとも多く、次いで「新規顧客の減少」が33.8％、「売上の伸び悩み、拡大」が32.8％と、いずれも3割以上を占める結果となった。消費者動向や市場環境の変化、売上に対応する動きとして、販売チャネルを多角化させている事業者が多いことがわかった。
販売チャネルの多角化による課題をたずねた問い（複数回答）では、「人的リソースの不足」の回答が45.5％ともっとも多く、店舗の運営のノウハウより、リソースや予算の不足に課題があることがわかった。次いで、「各販売チャネルごとの正確な評価がわからない」が40.9％、「予算の確保が難しい」が37.1％となり、販売チャネルごとの評価が困難であることも浮き彫りとなったとしている。
販売チャネルの多角化によるデータ関連の課題についてたずねた問いでは、もっとも多い44.6％が「複数の販売チャネルで取得したデータ統合ができていない」と回答した。データ分析やその後のCRMに繋がる前の段階に留まっている事業者が多いことが伺える結果となった。「データの取得ができていない」も28.9％を占め、データの取得・統合の段階で課題を感じているケースが7割以上とという結果となった。
販売チャネルの多角化によるデータ関連の課題の要因をたずねた問い（複数回答）では、「各種データツールを導入しているが、ツールに課題があるため」との回答が45.0％ともっとも多い結果となった。次いで「データに関する専門人材の不足」が40.1％となり、導入ツールやデータ関連の専門人材の不足が課題となっていることがわかった。
データ活用において導入しているツールを年商別に分類したところ、年商1000万円～50億円未満の事業者は、いずれもCDPとBIの導入率が高いことがわかった。一方で、年商1000万円未満および50億円以上の事業者では「ツールを導入していない」との回答が多く、年商1000万円未満の事業者では42.4％、50億円以上の事業者では35.0％と、それぞれもっとも多い結果となった。
データ活用において導入しているツールに課題があるかをたずねた問い（複数回答）では、「ツールが煩雑で使いこなせていない」との回答が38.1％ともっとも多い結果となった。次いで「見たいデータが見れていない」が33.7％、「データ連携やデータセットの設計が難しい」が30.2％となり、ツール導入後も上手く活用できていない事業者が多い傾向にあることがわかった。
ツールを導入していない理由を年商別にまとめると、年商が5000万円未満の事業者は、予算の確保の難しさやExcelなどの手法で足りていることを理由にツールを導入していないケースが多い結果となった。1億円～50億円未満の事業者では、人的リソースや専門人材が不足していることが要因となっていることがわかった。ツールの導入率が低い50億円以上の事業者においても、3割程度がExcelなどの手法で足りていると回答した他、「最適なツールがわからない」との回答も多い傾向にあった。
本調査の全データは、SUPER STUDIOのWebサイトにてダウンロードできる。
