2024.04.23

【データに見る「ECの地殻変動」】<第26回>越境EC大国「中国」に立ち向かう切り札とは?


コーディネーターが鍵


その中国だが、経済の状態が思わしくないのは既知の通りである。世界の工場と呼ばれるほど中国ではこれまでに膨大な設備投資が行われてきた。

その結果、製造業の生産能力は凄まじいレベルに達している。それらの設備が無駄にならないよう、生き残りをかけて今後メーカーは激しい価格競争を繰り広げると見る。とすれば世界中の消費者向けに越境ECで販売する製品もさらに安価なものが大量に出回ると予測できる。TemuやSHEINがその好例だろう。

世界シエアが低いと見られる日本が、このような状況にどう立ち向かえばよいだろうか。品質差が許容範囲であれば、低価格の製品を消費者は選択するだろう。したがって、類似製品での真っ向勝負には注意が必要である。

筆者は中国製品とのポジショニングの違いをどう創り出すかがキーと見ている。アニメ、フィギュアなど製品そのものの独自性はもとより、日本ならではの製品の特徴をどう世界の消費者にアピールできるかがポイントになると読む。

とはいえ、大半の事業者は国内販売の延長線上に越境ECを位置付けていると思う。要するに製品ありきでの販売ということだ。果たして海外で売れるかどうか分からない、これが事業者の本音であり越境ECに二の足を踏む理由だろう。

そこでやはり切り札は、越境ECを支援するコーディネーターの存在だ。中国製品の席巻によって日本製品の相対的なポジショニングを意識するにはプロの目線が必要だろう。その大役を担うプレーヤーの活躍に期待したい。













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