2024.04.19

リコマース・再販モデルがオムニチャネルコマースの新しい成長の糧になる理由と方法


ブランドの古着・中古アイテムをオンラインで販売・買取するサイトZOZOUSED、P2Pマーケットプレイスのメルカリ、リス―ス品を販売するコメ兵など、ブランド、ビンテージなどのリユース品を、再度それを求める消費者に販売するオンラインリコマースサイト・マーケットプレイスが、コマーステクノロジーと顧客の価値観の変化によって、自動車、スマートフォン、家電・ギアー系から、ジュエリー、バック、スニーカーをはじめとした、アパレル・ファッションカテゴリーへと拡大しています。



リコマース・再販売とは?


消費者の購入体験の変化に対応するために、ブランドオリジナルのリコマースのオムニチャネルコマースサイトを構築、購入体験を設計、サービス運用、することがアメリカやEUなどのラグジュアリーブランドだけではなく、H&Mなどのファストファッションブランドでもビジネスチャンスになりつつあります。

自社でも、従来のコマースビジネスから発生する、返品・交換商品の販売、在庫品・キャリーオーバー品、そして自社顧客が保有する商品の下取り、回収などから、自社デジタルコマース・リアル店舗、マーケットプレイス(P2Pも含めて)などの適切なチャネルと、最適な対象顧客に対して、最適な価格で販売することです。

ブランドにとっては、商品のライフサイクル全体を通じて顧客関係を維持するためのサービス施策として、ロイヤリティプログラムのリワードポイントとの連携、買取品の購入代金支払い(決済テクノロジーを活用しなくてもできるストアクレジット)、新商品の割引のための下取りプログラム、回収プログラムなどでサービスをデザインします。

これらのリコマース(再販売)用の商品は、グレーディングされるとともに、修理などを実施することで、信頼と安心を保証するとともに、再販価値を上げていきます。

循環・静脈という一面も含めてのリバースコマースのインフラとオペレーションを保有することで、新しく既存顧客データの取得と新規顧客カテゴリーへのコミュニケーションとタッチチャネルが開放されることになります。


ブランドオリジナルリコマースのパターン




1:ブランドが自社商品を供給して販売するパターン

これを実施しているブランドをいくつ思い出せますか?

身近でよく知られていて活用されているのが、「下取りプログラム」です。

顧客ユーザーが使用済みの製品や商品を「売り戻す(ブランドとしては買戻し)」します。現金での支払いの代わりに、コマースサイトや自社店舗で利用できる「割引クーポン・金額」を提示したり、新しいアイテムの購入に利用できるストアクレジットやギフトカードでの支払いを提供します。

もう1つは、「クローゼットを一掃する」動機とインセンティブを提供します。

消費者に、使用頻度が低くなったとか、クローゼットの常連になっているなどの商品を回収するキットを有価で販売してその分をストアクレジットとして付与したり、店頭回収でロイヤリティプログラムのポイントとして付与したり、「寄付」したりできるサービスを提供している場合もあります。

消費者が利用して保有しているアイテムに第二の活躍の場を提供することで、持続可能なリユースを実践する場を提供します。

これらには、ブランドの品質ポリシーに従ったグレーディング(商品の状態のチェックと表示)が必須です。その状態で再販売(新品・未使用、新品同様、使用済み、キズなどの有無の明示して)、修理して販売する、リサイクル・アップサイクルするなどの分類判断作業・修理、加工などを実施します。


2:ブランドがP2Pマーケットプレイスを提供するパターン

メルカリのP2Pマーケットプレイス機能を自社のコマースサイトで提供するパターンです。

ブランドの商品を所有する顧客とそれを欲しい顧客または新規顧客が直接取引をします。

ブランドは・・・

・顧客管理機能
・商品の出品管理機能と、元の商品詳細データ
・決済機能(エスクローサービスまで)
・発送サポート機能(配送伝票などの発行・追跡機能)
・カスタマーサービスとしての
 売り手と買い手に対するオンボーディング機能
 紛争解決など
・顧客同士でのコミュニケーションツールの提供

を提供することになります。

今回はこのパターンではなく、自社供給・販売タイプのコマースサービスについて解説していきます。

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