2024.03.12

【食品ECの今と未来が分かる】アフターコロナに成長する企業の特徴は?有力企業をインタビュー<分野別トレンドも紹介>

紙面には17社のインタビューを掲載


「アフターコロナでも成長を続ける食品EC企業の特徴は何なのか」--。成長企業を取材する中で、「ここでしか買えないという希少性」「オフライン展開」という二つのキーワードが見えてきた。オフライン展開も、ただポップアップストアを開設するだけではなく、そこに人が集まる自然な導線作りが重要となる。日本ネット経済新聞では、「菓子」「海産物」「飲料」「百貨店」など食品を取り扱う各業界のトップ企業にインタビューを実施した。各社の取り組みから、今後の食品ECの成長戦略が見えてくる。






2023年は多くの企業がオフライン展開に注力した。だが、企業の中には、ただ駅や商業施設でポップアップストアを開設したり、やみくもに実店舗で集客施策を実施していることが多い印象を受ける。実際に取材してみると、「2023年は頻繁にポップアップストアを開設したが、想定よりも顧客を獲得できなかった」と嘆く声を多く聞いた。

当然だが、企業はどれだけ購入につながったかをKPIに設定している。オフライン展開で効果的に多くの顧客獲得に成功した企業として、ケーキのECモールを運営するCake.jp(ケーキジェーピー)がある。

Cake.jpは2023年、名探偵コナンの映画公開に合わせて、名探偵コナンとコラボレーションしたオリジナルケーキ缶を発売した。販売場所をECサイトだけでなく、商業施設「マルイ」の自動販売機で販売したり、駅構内のスイーツ期間限定販売店「SWEETS BOX」でも販売した。

映画公開に合わせてCake.jpでしか購入できない商品を開発し、大勢の人の目に留まる場所で販売する。映画を見終わった人が「マルイ」に訪れることも予想でき、自然な流れで購入促進を図った。

販売後の反響について、Cake.jpは「『かわいい』『おいしそう』というような言葉も多く、自動販売機やポップアップストアに足を運んでくれる人も多かった。商品によっては人気すぎて売り切れるものもあった」と説明する。

多くの企業が、自社でしか購入できない希少性の高い商品を開発したいと悩むが、一つの方法として、映画や旬な人などとコラボレーションし、その商品の特徴に合った場所で販売するやり方がある。

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