2024.02.22

ニトリ、武井直CIOが語ったマーケットプレイスの本当の狙いとは?求める商材、出店のベネフィットにも言及

ニトリHD 常務執行役員 最高情報責任者(CIO) 武井直氏


「暮らし」をキーワードに品ぞろえの空白を埋める


ニトリHDはECサイトのリニューアルは今年中に実施するが、マーケットプレイスのリリースは2025年以降になる見通しだという。

「マーケットプレイスのリリースは先だが、それまでにセラー(出店者)の募集などやることはたくさんある。先日、マーケットプレイスの導入を発表したことで、さまざまな企業さまからお問い合わせをいただいている」(同)と話す。

どのような商品を持つセラーを求めているかについては、このように言及している。

「PB商品としては家具やホームファッション以外に家電にも力を入れている。そういったカテゴリーにおいてもPB商品で全てのお客さまのニーズを満たせるわけではない。今まで競合だった会社にも、賛同してもらえれば出店していただける可能性がある」(同)と話す。



同社がこれまで取り扱ってこなかった領域の商品も求め、品ぞろえの空白を埋めていく。

「家具やホームファッションを始めとして、暮らしで必要なものがあったとき、お困りごとがあったときにこのサイトを見てもらえばすべて解決する、必要な商品を見つけられるという風にしていきたい。そういった商品やサービスを持つ企業さまにご協力いただきたい」(同)と話す。



「暮らし」をキーワードにニトリHDが取り扱っていない商品やサービスについてもそろえていきたい考えだ。


セラーに提供できるベネフィットは?


セラーはニトリHDの1600万人を超えたアプリ会員を始めとした顧客基盤にリーチできるだけではなく、多様なベネフィット(利益)を得られる可能性がある。

「家具であればホームロジスティクスという配送会社を持っており、全国への配送網を生かし、年間300万件くらい配達している。他の家具をお持ちの会社がマーケットプレイスで販売してくださった場合にニトリの商品と一緒に配達することも可能だ。自社の物流拠点も全国に8カ所作っている。現在は基本的に自社商品を扱っているが、将来的に他社商品を引き受けて、発送するサービスも提供していきたい」(同)と話す。

ECのリニューアルに合わせて、店舗受け取り(BOPIS)をさらに強化する方針だ。店舗での受け取りだけではなく、返品対応のサービスも提供していく。セラーはそのような店舗網を生かしたサービスも利用できるようにする構想もある。

ECのリニューアル時には、顧客参加型のコミュニティを立ち上げる予定だ。スタッフコンテンツやコミュニティでもセラーの商品が周知されていく可能性はある。

「セラーの商品をニトリの実店舗の一角で紹介することもできると思う。その場合は少し費用をいただくかもしれない。グループの島忠のホームセンターであれば、かなり店舗面積があるので、コーナーを作ってセラーを紹介するようなことは可能性がある」(同)と話す。





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