2024.02.22

ニトリ、武井直CIOが語ったマーケットプレイスの本当の狙いとは?求める商材、出店のベネフィットにも言及

ニトリHD 常務執行役員 最高情報責任者(CIO) 武井直氏

ニトリホールディングスの常務執行役員 最高情報責任者(CIO) 武井直氏は2月21日、先日導入を発表したマーケットプレイスSaaSを提供するMirakl(ミラクル)の事業戦略発表会に参加し、マーケットプレイス参入の狙いや事業構想について語った。

マーケットプレイスの戦略を紹介する前に、ニトリHDのビジネスモデルを紹介した。同社は現在、「住まい」の範囲を超え、「暮らし」総合提案企業へ変化しようとしている。

「これまでは『住まい』のさまざまな商品を提供してきた。これからは『暮らし』のお困りごとを解決していく会社になりたい。その目標に向かって、会社のトランスフォーメーションを図っている」(武井氏)と説明した。



ニトリHDは製造物流IT小売業として、市場調査、原材料調達、商品開発から物流、システム開発、広告宣伝、店舗運営、コールセンターまで自社で運営している。

特にIT戦略に注力しており、グループ全体のIT推進を担うニトリデジタルベースという会社を2022年4月1日に設立している。武井氏はデジタルベースの代表取締役社長も兼任している。



「IT業界から人を採用しようと考えると、ニトリの人事体系では難しい面があった。ITデジタルに従事する人員数を2032年に約3倍の1000人規模に増加することを目指している」(同)と話す。


EC化率20%へ、マーケットプレイスで加速


IT強化の一環として取り組むEC事業の売上高は2023年3月期に885億円まで拡大している。EC化率は11.87%まで高まっている。



「2021年3月期にコロナの影響で一気に伸び、EC化率は10%を超えた。おそらく今期(2024年3月期)はEC化率が12%まで達しそうだ。2033年3月期には、20%までもっていきたい」(同)と話す。

EC強化に加え、新たな買い物体験を追求する中で、マーケットプレイスを導入することになったという。

「ニトリというと家具の会社と思われているが、実は家具の比率は全体売上の3分の1くらいしかない。ホームファッションが大きな割合を占めている。ただ、EC売上は家具が半分くらいを占めている。ホームファッションやホームセンターの商品などは、ECでまだかなり伸ばせる余地があると思う」(同)とみている。



ECを強化するため、ライブコマースを2年前から実施しており、現在は週3回のペースで配信している。スタッフコーディネートを導入し、スタッフが自宅の部屋のコーディネートの写真を紹介したり、「みんなのニトリ」というコンテンツでは顧客がインスタグラムに投降したコンテンツを紹介している。



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