2024.02.05

【有識者に聞く!2024年のEC市場展望】天真堂 植田文教取締役CTO「急速に変化する市場環境を商品開発に反映」

テーマ:健康食品・化粧品トレンド


薬用化粧品・健康食品のOEMを軸にEC・通販に特化した総合支援事業を展開する天真堂の取締役CTOを務める植田文教氏は、健康食品・化粧品の商品開発のトレンドについて、「急速に変化する市場環境を敏感に察知し、商品開発に反映していくべき」と話す。


健康食品も化粧品も市場環境は急速に変化している。こうした市場の変化を敏感に察知し、商品開発に反映していくべきだ。

サプリの分野では、機能性表示食品やトクホのトレンドが大きく変わりつつあると感じている。トクホの疾病リスク低減表示などを含め、規格基準型に寄っていっている。規格基準型になると、競争が生まれにくくなるという側面がある。大量生産可能でブランド力のある大手が一人勝ちする市場になりかねない。当社としても、機能性表示食品の開発を行っているし、新素材の開発も進めているが、新しい状況の中での最適な展開を考えていく必要があると見ている。

一方、高齢化が進む日本では、「筋肉」のケアの重要性が増している。当社ではこうしたニーズに対応するため、これまでと同様、プロテインの開発・製造に注力していく。日本栄養・食糧学会でも、さまざまな先生が、植物プロテインの摂取を推奨するようになっている。

プロテインの市場が拡大する中、「取りやすさ」の重要性がさらに高まってきていると感じる。当社の商品の中でも、「取りやすさ」を追求した、スープタイプのプロテインが人気となっている。日常の食事を、スープタイプのプロテインに置き換えれば、ダイエットへの貢献も期待できる。

化粧品の市場環境も大きく変わってきている。動物試験が事実上できなくなったことにより、画期的な新素材が生まれにくくなっている。一方、マスクのある生活が一般化したことにより、化粧崩れしにくい化粧品や、敏感肌向け化粧品のニーズが高まった。

2023年も夏が暑かったが、気候の変化も化粧品市場に変化を与えている。2024年も暑い夏になりそうだと聞いている。こうした中、2024年はUVケアの化粧品の注目度もさらに高まるのではないかとみている。コロナ前の2019年ごろは、紫外線・赤外線ケアの化粧品の研究が進んでいた。アフターコロナの2024年に、研究の世界で、こうした研究が復活していくのではないかと注目している。

育毛剤を含めたヘアケア分野のニーズも伸びている。当社が強みを持つ分野であり、強化していきたい。

市場が大きく変化する中、変化を敏感に察知し、ニーズに合った化粧品を迅速に市場に投入していくことが必要だ。そういった意味では、当社の持つ、医薬部外品のストック処方の豊富なラインアップも役に立つだろう。既存の処方であれば、小ロットで迅速に薬用化粧品を商品化していただける。既存処方で手応えを確認した上で、完全オリジナルの医薬部外品を開発するのも良いだろう。






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