2023.11.28

PR TIMES、SNSマーケ支援のNAVICUSをグループ会社化 SNS運用支援に参入

NAVICUS 代表取締役 武内一矢氏(左)とPR TIMES 代表取締役 山口拓己氏(右)

プレスリリース配信サービス「PR TIMES(ピーアールタイムズ)」等を運営するPR TIMESは11月20日、取締役会において、SNSマーケティング支援等を行うNAVICUS(ナビカス)の株式70%を取得し、グループ会社化することを決議した。これを機にSNSマーケティング支援事業を開始し、顧客企業のPR活動のより立体的にサポートする。

PR TIMESは、「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」をミッションに掲げ、「行動者」のポジティブな情報がニュースの中心となり、個人を勇気づけ前向きにする社会の実現に挑んでいる。「人の行動や頑張りの結晶を、その想いを紡いで発表するのがプレスリリースである」との考えから、企業規模を問わず「行動者」が自ら発信できるPRの民主化を目指して事業を展開している。


▲PR TIMESのメンバー

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」は、利用企業社数が8万7000社を超え、サイトアクセス数は月間8900万PVを突破、プレスリリース件数は累計100万件を超えている(2023年8月現在)。かつて報道発表資料としてメディア関係者のみに配布されていたプレスリリースは、今やインターネットを通じて生活者も楽しむニュースへと進化し、事業者が新たな動きを公に伝えられるコンテンツとして幅広く活用されている。

PR TIMESは11月20日に開催した取締役会において、SNSマーケティング支援等を行うNAVICUSの株式70%を取得し、グループ会社化することを決議した。NAVICUSは、大企業から地方自治体まで幅広い顧客層に対して、専門領域であるSNSを起点とするコンサルティングや社内担当の育成、運用代行、アカウント分析、SNS広告運用などを提供している。

PR活動における情報発信手段はプレスリリースに限らず、そのひとつであるSNSは、プレスリリースよりはるかに多くのユーザーが活用し、プレスリリースやメディアの掲載情報もSNSの投稿機会となっている。今や企業の広報担当者が、自社の認知向上やファン作りを目的にSNSアカウントを運用することは、重要業務になっていると言える。

こうした状況においてPR TIMESでは、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を社会的な情報インフラと呼ぶに相応しい存在まで高めつつ、他の情報発信手段でもミッションの実現につながる新たな事業を創出することが課題となっていた。

一方、NAVICUSは、企業のSNSマーケティング支援や地方自治体・地方企業のプロモーション支援など、コミュニティ支援を通して「ファン作り」を行っており、「Bring the Party」というミッションには、コミュニケーションを通じた“熱狂”を生み出し、単なるファンではなく、同じ目線の当事者を生み出そうという2つの想いが込められている。


▲NAVICUSのメンバー



これらの想いは、行動者が発する情報から次なる行動者を生み出そうとするPR TIMESのミッションと重なり合う要素が多く、両社が自らの事業を通じて実現したい社会像が近いと考えるに至ったとし、PR TIMESは今回のNAVICUSの株式取得を機に、SNSマーケティング支援事業を開始する。

「PR TIMES」の顧客基盤の多くは、さまざまな広報課題に直面する広報担当者や経営者であり、SNS運用支援ニーズが高いと考えれるとし、PR TIMESとNAVICUSの事業シナジーにより、プレスリリースに加えてSNSマーケティングでも広報PR支援が可能となり、顧客企業のPR活動をより立体的にサポートできるとの考えを示した。

今回の取り組みにより実現を目指す項目の1つ目には、プレスリリースとSNSマーケティング支援の連携提供を挙げた。「PR TIMES」の顧客に対し、まずはNAVICUSのSNSマーケティング支援事業を提供してながら、プレスリリースとSNSマーケティング支援をかけ合わせた競争力ある事業を築いていく。



「PR TIMES」の顧客の中にはプレスリリースのアドバイスに留まらずに、広報PR業務全体にハンズオン型の支援を受けたいというニーズがあり、「PR TIMES」では顧客に対し、広報PR支援を行う事業を2021年8月に本格始動している。プレスリリースのみならず、記者発表会やメディアプロモートの企画・実行支援などを提供することで、同事業は大手消費財メーカーを中心に取引を拡大している一方で、各種SNSアカウントの運用支援やSNS人材育成などのニーズに対し、競争力あるSNS向けサービスを提供できず、貴重な事業機会に応えられていなかったとし、ニーズへの対応を図る。

2つ目には、SNS関連サービスの共同展開を挙げた。PR TIMESは、NAVICUSが事業領域とするSNSアカウントの運用代行や分析、SNS広告運用などの分野には、自社プロダクトを開発して勝負する価値のある事業機会があるとの考えを示した。自社グループは、ソフトウェア開発などを手がけるグルコースを含め、サービス開発力を有しているとし、NAVICUSの経験やノウハウと「PR TIMES」の顧客基盤、そしてグルコースの開発力を活かしたプロダクト開発力を生かしたプロダクトの開発に挑戦するとしている。



3つ目には、起業家人材の獲得による経営力強化を挙げた。M&Aの期待効果の1つに、起業家精神溢れる人材の獲得があるとし、NAVICUSの代表取締役を務める武内一矢氏は、今後もNAVICUSの経営にコミットし、PR TIMESグループでのシナジーを活かしながらNAVICUSをさらに発展させていく。さらに、将来的には自社グループ全体の経営を担う役割へと貢献することを武内氏に期待し、経営力の強化を図りたい考えを示した。



今回のグループ会社化にあたり、NAVICUS 代表取締役 武内一矢氏は、「NAVICUSはPR TIMES社のグループに参画し、日本No.1のSNSマーケティングカンパニーを目指していきます。2018年の設立以来、『明日が楽しみになる居場所をつくる』というビジョンの実現に向け、体制強化を進め、メーカーやテレビ局、ゲーム会社や地方自治体など、さまざまな業種業界のデジタルマーケティングのご支援を行ってきました。業界後発ながら、設立5年で正社員50名のチームを作り上げられたのは、メンバーの尽力あってこそだと感じます。一方、ここから非連続的成長を実現するためには、今までとは違ったチャレンジが必要になるとも思っています。PR TIMES社はもちろん、山口社長のお人柄や手腕についても以前から存じ上げており、理念に基づく明快な決断で組織を運営する姿に、遠巻きに尊敬の念を抱いていました。今後は、行動者発の情報が人の心を揺さぶる時代を共に創り上げる仲間として、グループ全体にシナジーを生み出すべく尽力してまいります」とコメントした。


▲NAVICUS 代表取締役 武内一矢氏

PR TIMES 代表取締役 山口拓己氏は、「私たちは『行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ』というミッションの実現に向けて、『PR TIMES』を日本では社会的な情報インフラにし、世界でも成功させたいと考えています。私自身、『PR TIMES』の事業責任者として、その実現のためにフルコミットしています。しかしミッションの実現には、『PR TIMES』の持続的な成長に加えて、新たな事業の柱が求められます。『PR TIMES』がどこまで成長を続けても、それを超える事業づくりに本気で挑む人材が1人でも多く台頭する組織になることを本気で目指す必要があります。今回のM&Aで念願だったSNSマーケティング支援事業への参入に加えて、NAVICUSを創業し、数年でユニークな会社を作り上げた武内一矢さんという起業家精神溢れる人材が当社グループに参画することになりました。武内さんとは元々面識があり、社会に大きく貢献するインパクトある事業を創出したいという強い想いや経営者としての在り方に敬意を感じていました。武内さんはNAVICUSを日本No.1のSNSマーケティングカンパニーにすることに加えて、PR TIMESグループ全体の経営にも意欲を示してくれています。これから一緒に働けるのがとても楽しみです」と述べた。


▲PR TIMES 代表取締役 山口拓己氏





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