2023.09.20

コマースロボティクス、クラウド型物流プラットフォーム「サイバーロジ」をプレリリース 物流の全業務を依頼可能

コマースロボティクスは9月18日、すべての物流業務を依頼できるクラウド型物流プラットフォーム「サイバーロジ(Cyber Logi)」をプレリリースし、物流業務の予約受付を開始した。クラウドから申し込むだけで、高性能OMS、RPA、WMSが提供され、物流業務委託を開始できる。受注処理から物流業務の自動化・アウトソーシングにより、EC事業者の時間の有効活用を支援する。

コマースロボティクスの「サイバーロジ」は、EC運営の受注処理から物流、発注までを自動化する物流プラットフォーム。独立系の物流プラットフォームとして、マルチチャネル(多モール運営)やD2C、定期通販、冷凍・冷蔵通販、カスタマイズEC、基幹システムEC、B2Bなど、多様な販売チャネルに対応した自動受注・自動出荷サービスを提供する。10月中の正式リリースに先がけ、9月18日にプレリリースし、物流業務の予約受付を開始した。



オンライン契約管理、物流費管理(Billing/※WMS補助機能)、オンライン物流費請求、OMS(受注管理システム)、RPA(受注処理ロボット)、WMS(倉庫管理システム)、EOS(在庫最適化システム/※オプションサービス)のEC物流の全プロセスをシステム化(クラウド化)しており、受注処理、物流、発注までのシームレスな連携が可能となる。



サイバーロジ利用者は、クラウド上で初期費用、固定費無料で物流サービスが利用でき、外部のOMS不要、RPA不要、WMS不要ですべてをサイバーロジの内蔵システムで利用可能という特徴を備える。EC運営者が日々行うことは、RPA処理でもどうしても対応できない受注処理として「要確認」にある注文(少量)の確認と処理だけで、それ以外は、すべて自動化されて処理される。



大半のモール及びカートシステムとAPI連携が可能で、受注データだけでなく在庫データも連携される。カスタマイズショップや基幹ECなどは、オープンAPIやSFTP連携を提供しており、自動連携の構築が可能だ。独自開発した高性能OMSやRPAを利用者に提供することで、商品マスタの2重管理が不要になり、受注処理の自動化率も向上、利用者は業務負担を大幅に軽減できる。



一般的に大手物流会社や3PL企業(倉庫運営会社)は、物流効率、採算性の悪さなどの理由から、小規模荷主の物流案件を引き受けることができなかった。これによりD2Cスタートアップ企業などは、自社で手間のかかる物流業務を行わなければならず、事業拡大に集中しにくい原因の1つとなっていた。

サイバーロジは、ロジテックを活用して、小規模荷主をまとめて1荷主として入荷処理、伝票出力、出荷処理を行う「仮想荷主グルーピング」、WMSで自動引当後に、オートプリントにより、納品書が指定プリンターから自動印刷される「オートプリント」、ピック作業後に作業した注文の送り状をハンディ端末操作によりオンデマンドで後出し印刷する「送り状後出し印刷」などを開発し、小規模案件の物流生産性の向上に成功。今まで引き受けが不可能であった大手物流や3PLも、小規模案件の受託が可能となった。



物流の2024年問題、人件費の高騰と、EC業界、物流業界を取り巻く環境は厳しさを増している。特にスターアップから成長期のEC事業者の課題として、日々の受注業務や商品配送業務に追われ、コア業務であるマーケティング、販売促進、マーチャンダイジングに注力できていない点が挙げられている。

モール系物流プラットフォームは、物流品質・拡張性・コスト・出荷速度などの優位性はあるものの、他モールの取扱いが難しい、D2Cや定期通販、冷凍・冷蔵に対応できないなどの問題点ある。一方、独立系物流プラットフォームは、倉庫インフラの拡張性や物流品質維持、多額なシステム投資に問題がある。

「サイバーロジ」のアイデアが生まれたのは、1200社以上が利用するOMSやWMSを開発するコマースロボティクス代表の伊藤氏や、サービス責任者の佐々木氏が、こうした課題の解決において、現状の物流プラットフォームに限界があると感じたことにも起因しているという。

一方で、物流プラットフォームがもたらす「EC運営者への効果」も強く感じているとし、スタートアップを含めてより多くのEC事業者が簡単に物流業務を利用開始でき、自動化によるPL、BS、CFへの効果により事業の成功確率を上げられる姿をイメージし、EC業界にクラウド化・自動化で「物流のイノベーション」を起こしていくとの考えを示した。




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