2023.09.13

LCC宅配「置ToC」を10月スタート 環境に優しく安価な置き配専用サービス

コントラクト、トランプ、エスシーシーの3社は10月1日、置き配専用LCC宅配サービス「置ToC(おいとっく)」の提供を開始する。再配達を行わないことで荷主企業・購入者へ安価で適正な宅配料金を提供するとともに、宅配ドライバーの大きな負担となっている再配達の課題を解決し、安心して荷物が届く未来の実現を目指す。

「物流のすべてをひとつの物流で。」をコンセプトに、運送事業、物流センター事業、BPO事業を軸に総合物流サービスを提供するコントラクトは、宅配に強みのあるトランプ、情報サービスに強みのあるエスシーシーは、置き配専用LCC宅配サービス「置ToC(おいとっく)」の提供を10月1日より開始する。

「置ToC」は「置き配」専用の宅配サービスとして、日時指定、再配達を行わないことを基本サービスとすることで、1個350円~安価で適正な料金での配送を実現する置き配専用LCC宅配サービス。配達事前通知、置き配、配達完了通知の流れにより、再配達なしの非対面受け取りを可能にする。



「置き配を利用したいが不安要素が多く利用を躊躇する」という人のため、代表的な不安要素である降雨時の商品の濡れ、盗難にも対応を図った。降雨時はビニール袋に入れて配達するほか、荷物が濡れる可能性がある場合は配達員が持ち帰り、後日再配送する。また、万が一の盗難には商品代金を保証する保険をオプションで提供する。利用者の登録メールアドレス宛に、配達事前通知、配達完了通知を送ることで、受け取りのタイミングの事前確認も可能だ。



関東、関西から段階的にスタートし、年内には中部、九州を対象エリアとして拡大を予定している。2024年からは順次対象エリアを拡大し、全国主要都市でのサービス展開を予定しており、「置ToC」の利用による置き配利用者を増やし、安心して荷物が届く社会の実現に貢献していくとしている。

物流業界は、経済産業省、農林水産省、国土交通省の連名で2023年6月に策定された「物流の適正化・生産性向上に向けた荷主事業者・物流事業者の取組に関するガイドライン」で示された2024年問題への対策が進められている。その一端として、EC需要の増加は宅配ドライバーの負担を益々増加させており、荷物が届かない未来の到来が危惧されている。

その1つの要因である「再配達」問題は、宅配BOX設置やコンビニ受取などの対応が進んでいるものの解消の目途が立たず、今後ますますドライバーの負担が拡大していくことが予想されている。運送業界の多重下請構造は宅配ドライバーの収入増加の阻害要因の1つであり、宅配ドライバーの担い手が集まらず、運送会社の事業継続危機が顕在化しつつある。

こうした状況を受け「置ToC」は、置き配専用のLCC宅配サービスとすることで、これらの課題に対するソリューションを提供する。宅配ドライバーの収入増加に繋げることで宅配事業の継続を目指すとともに、サービスを限定することで、荷主企業・購入者へ安価で適正な宅配料金を提供する。さらに再配達を行わないことで、配達に関わるCO2排出量削減にも貢献でき、購入者は「置ToC」を利用するだけで環境負荷低減に貢献することができる。

置き配の不安要素を払拭し、購入者が安心して気軽に利用できるサービスを提供する「置ToC」は、宅配における新しいソリューションとして、購入者、荷主企業、運送会社が協力することで持続可能な社会の実現を目指すとしている。




RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事