OEM事業のコウダプロは、自社商品を開発する際、販売計画などの数字目標を掲げず、納得いく物ができたら販売するというスタイルで事業を行っている。
例えば、唐揚げをおいしい状態で保てるように開発した緩衝材「カラッとペーパー」。揚げ物の余分な油分や水分を吸収し、時間が経っても揚げたての食感が楽しめるという商品だ。開発に当たっては、実際に唐揚げ専門店に出向き、商品に需要はあるかリサーチ。テークアウトで揚げ物を提供する飲食店に勧めていたが、生の声を聞く中で、主婦層からの需要もあることが分かり、個人で購入できるようにした。
「商品開発の合格レベルは高い。開発者が納得するまで、何度もリサーチして改良を重ねる。気になれば自分の足で出向き、生の声を取り入れるという地道な過程を踏んでいる」（アスガール事業部長 松尾充展氏）。
2018年から販売している、アルコール対策のサプリメント「アスガール」は、健康食品開発を行っていた幸田八州雄社長が開発した。社長自ら、福岡県中州にある飲み屋やスナックをまわり、口コミで認知を広げていった。
▲主力商品の「アスガール」関東圏の企業の経営者にも愛用者は多く、2023年4月時点で、累計販売数が50万包を突破している。SNSの活用も行っているが、「アスガール」についての商品説明などはなく、「中の人」が日常をつぶやいている。
「自分の趣味や食べた物などを発信して、『中の人』にファンが付いた。ファンと交流するためにオフ会も開いている」（同）。中には商品を購入したことがない人も参加しており、これを機に、企業や商品のファンになってほしいとしている。
自社が運営するショップは持たず、「楽天市場」や「アマゾン」など、モール出店にて商品を販売している。商品を福岡まで買いに行けず、まとめて購入する人が多いという。ECだけでは認知拡大や、購入のしやすさという点で課題があるため、今後は全国展開を目指し、卸販売を強化していく方針だ。
