家電のECサイト「ECカレント」を運営するストリームがレンタル事業に乗り出している。ストリームが手掛けるレンタル事業の強みは、「商品調達力」と「丁寧かつ迅速な配送が可能」なことだという。ストリームの右田哲也取締役にレンタルサービスの強みや他社との違いなどを聞いた。
――貴社のレンタルサービスについて聞きたい。2020年4月にストリームの新たな事業として、レンタルサービス「Rentoco（レントコ）」を開始した。季節商品、生活家電、カメラ、美容、健康器具など、幅広い商品を取り扱っている。
「Rentoco」の開始のきっかけは、顧客の声だった。「ECカレント」に訪れるユーザーから、よく「商品を購入する前に実際に試してみたい」という声が寄せられていた。
幸い当社は、家電を販売しているため、在庫が倉庫にたくさんある。社内状況を考慮しても、すぐにレンタルサービスを開始できる環境が整っていた。
――他社との違いは？やはり「配送面」と「圧倒的な商品調達力」だろう。
20年以上もEC運営を行っているため、梱包から配送までのスピードや品質には自信がある。どのような梱包なら傷付きにくいのか、どうすれば早く出荷できるのかが分かっているため、他社よりも配送面は優れていると考えている。
梱包に関しては、付属品が多い商品などは、ユーザーが返却時に元の箱に戻しづらいため、利用後のユーザーが収納しやすいように専用の梱包箱を作成している。
長年、メーカーと連携し、新商品を発売日にそろえている「ECカレント」だからこそ、「Rentoco」でも「ECカレント」で販売している一部のアイテムのレンタル受け付けを発売日から開始している。気になった新商品をすぐにレンタルで試してもらえる点も、他社のレンタルサービスとの違いだろう。
一般的なレンタルサービス専門企業は、新商品が発売されたあとに、レンタル商品として注文する。だが、当社はレンタル・販売関係なく一括で仕入れるため、事前に新商品情報を提供してもらえる。
――最近の「Rentoco」の利用状況はどうか？おかげさまで個人・法人問わず多くの人から利用してもらっている。個人では、旅行需要の回復から、カメラやスーツケース、ポケットWi―Fiの注文が多い。旅行中に使うだけなら、購入するよりもレンタルした方がお得であるため、多くの人から利用して頂いている。
また、高圧洗浄機やリンサークリーナー（カーペットやソファーなどの水洗いできない布製品を掃除できる家電機器）など毎日使う必要がない商品なども、よくご利用頂いている。
法人では、コロナ禍から変わらず空気清浄機がよく利用されている。会社内のあらゆる場所に購入した空気清浄機を設置するとなると、かなりの費用がかかる。空気清浄機はフィルター清掃などが面倒で、誰がどのタイミングで清掃するかが非常に問題となる。そのため、直近では、二カ月間ごとにフィルター交換するサービスも始めた。
レンタルなら購入するよりもかなり安く抑えることができ、そして室内の空気もきれいになり、清掃の手間も省ける。商品の仕入れも一括である程度の量を確保しているため、大量注文にも対応できる。仮に空気清浄機が数十台必要という場合でもきちんと対応できる。
VRゴーグルもよく注文されている。展示会などのイベントでゲーム配信として利用されているようだ。「Rentoco」ではこのようなニッチかもしれないが、確実に需要のある商品をきちんと用意している。
――「ECカレント」と「Rentoco」の関係性は？ユーザーは「Rentoco」でレンタルしてみて良かった商品を「ECカレント」で購入することができる。もちろん「Rentoco」でも購入できる。商品によっては、最初から新品を買うより、新品をレンタルして購入する方が安く購入できる場合もある。
――今後の「Rentoco」の成長戦略は？市場環境を見ながら、ニーズに合った品ぞろえやサービスを拡充していきたい。そこから、当社が推進しているSDGsの観点から、無駄な廃棄を削減しつつ、”買う”から”借りる”への時代を「Rentoco」で創造していきたいと考えている。
■「Rentoco」https://rentoco.jp/
