2023.05.28

天藤製薬「ボラギノール」、学び深める発信で「痔のない世界へ」 メタバース活用の新施策も

痔の治療薬「ボラギノール」を製造販売する天藤製薬は、2022年3月に開設したECサイトで、痔の理解を深めるコンテンツを掲載している。予防の観点から潜在的なユーザー層にも訴求し、定期購入につなげている。

創業は江戸後期で、1921年に日本初の痔の治療薬を開発した老舗メーカーだ。近年は、直販ECやメタバース空間「ボラバース」を展開するなど、新しい取り組みにも挑戦している。

「痔のない世界を目指す」(マーケティング部 部長 沖津孝幸氏)というECサイトでは、痔の理解を深める情報を発信し、予防の観点から商品を訴求する。

例えば、生活習慣に関する項目をチェックしてお尻への負担を示す「おしり悩み研究所」や、症状からより詳細な痔の種類を知ることができる簡易診断テストのページがある。痔について学ぶことができるコンテンツなども用意した。

こうした発信を行うのは、商品を継続的に使用することで、予防につなげてもらうためだという。「対処療法のために、そのつど購入するユーザーが多い。継続使用して習慣化してもらうことが大切だ」(同)と言う。

2023年に開設したメタバース空間は、ECサイトとも連携。「ボラバース」内にある薬局で商品をクリックするとカゴのアイコンが出現し、ECサイトへ移動する。メタバース内で学び、そのまま購入に誘導する格好だ。


▲メタバース空間「ボラバース」内の薬局で商品を選択

デジタルでの訴求を強化する一方、課題も感じているという。「痔に対するイメージは悪く、発症者の4分の1しか治療していないというデータもある。痔のない世界で、自分らしく生きるという考えのもと、普及啓発を進めていくことが必要」(同)と話している。

今後は、定期購入での利用を増やすべく、CRM施策に注力する考え。ECサイトで効果的な顧客接点の持ち方を模索していく。





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