2023.04.25

チャットコマースのZEALS、松尾研究所と共同で「チャットコマースGPT」実証実験を開始

ZEALS(ジールス)は4月21日、AI技術の社会実装に強みを持つ松尾研究所と共同で、実証実験ソリューション「チャットコマースGPT」の提供を開始した。チャットコマース領域におけるGPT活用を、松尾研究所と強力に推し進め、市場の発展への貢献を目指す。

ZEALSは、チャット(=会話)ができるアプリやサービスを利用し、企業がユーザーとの会話を通じて接客体験をオンラインで提供できるチャットコマース「ジールス」を提供している。

このほど、東京大学 工学系研究科 松尾研究室に伴走する松尾研究所と共同で、実証実験ソリューション「チャットコマースGPT」の提供を開始した。

「チャットコマースGPT」の提供内容例として、ゼロパーティデータのGPT活用、プロンプトエンジニアリングによる会話最適化、ファインチューニング、ラングチェーンを用いたモデル構築を挙げた。

ゼロパーティデータのGPT活用では、チャットコマースで取得したゼロパーティデータを元に、ユーザーの意図を検出するモデルに転換することで商品提案の最適化や購買後のフォローを実施し、CV獲得増とLTVの向上に貢献する。

プロンプトエンジニアリングによる会話最適化では、GPTへの指示となるプロンプトの改善・改修を繰り返し実施し、各業界・各企業・各ユースケースごとの最適化を実現。これにより意図しない会話体験を抑制し、質の高いユーザー体験を提供することができる。

ファインチューニング、ラングチェーンを用いたモデル構築では、特定のタスクにおけるGPT活用を最適化するためには、モデル自体を微調整させるファインチューニングが有効な手段になるとし、ファインチューニングの課題である情報のリアルタイム性等をラングチェーンを活用して解決することで、最適なモデルを構築する。

OpenAI社が開発・公開する大規模言語モデルを用いたChatGPTは、昨今様々な分野で注目を集めており、自然言語処理や人工知能技術がますます進歩し、社会に浸透していることを示している。ZEALSでは、成果の出るAI技術活用を掲げ、マーケティング領域における新たなソリューションとして、2016年よりチャットコマースの提供を行ってきた。

これまでは社内でGPTを活用し、チャットコマースの生産性向上において成果を上げてきたが、今後この技術をさまざまな業界の企業へ届けるべく、実証実験ソリューション「チャットコマースGPT」の提供開始に至ったとしている。

AI技術の機械学習や数理最適化に深い知見を持つ松尾研究所と共同で実施することで、高度なAI技術と専門知識を活用し、高い品質の実証実験の推進を目指す。

今回の取り組みにあたり、松尾研究所 取締役 鈴木慎司氏は、「松尾研究所は、『産学共創によるイノベーションのスパイラルを実現する』ことを目標に掲げ、産業界の企業との共同研究を通じて、アカデミアで生み出された先端技術の社会実装を進めてきました。ZEALSとの共同研究の目的は、昨今注目を集めるChatGPTをはじめとする大規模言語モデルを活用し、チャットを通じた顧客体験の向上を実現することにあります。先進的な技術をハイスピードで実装し、社会へのインパクトを最大化する取組を進めていきます」とコメントした。


▲松尾研究所 取締役 鈴木慎司氏

松尾研究所 技術顧問 松尾豊氏は、「ChatGPTの急速な普及に象徴されるように、大規模言語モデルの技術が進展しており、国内においてもスタートアップ等を担い手として、技術の社会実装が進んでいくことが予想されます。 消費・購買の領域においても、大規模言語モデルは様々な活用方法が期待され、社会全体に大きなインパクトを与えると思います。 チャットコマースというサービスを通じて、ZEALSがこれまでにない顧客体験を創出することを楽しみにしています」と述べた。


▲松尾研究所 技術顧問 松尾豊氏

ZEALS 代表取締役CEO 清水正大氏は、「『ドラえもんをつくる』『人が持つ対話の力を機械に授けることができたら産業革命がおこる』。2015年、そんな想いを胸にロボット開発に挑戦してきました。2016年にはその技術をチャットボットに応用し、チャットコマースをリリース。マーケットの先陣を切ってGPT-3の登場以降LLMの実装を進める中で、幸運なことに米国OpenAI社でプラグインが発表された瞬間に立ち会った時、とうとう誰も信じてこなかったビジョンが実現すると確信しました。この技術革新を社会実装していくのがZEALSの使命です。松尾研究所の皆様、そしてこの挑戦をご一緒できる企業様となら実現できると信じています。チャットコマースGPTを通じて、社会に価値を届けていけるよう全力で事業に邁進してまいります」とコメントした


▲ZEALS 代表取締役CEO 清水正大氏

ZEALS 取締役COO 遠藤竜太氏は、「今後、GPTを筆頭としたジェネレーティブAI技術をいかに活用していくかがあらゆる企業にとって重要なファクターになっていくと考えています。大規模言語モデルの社内実装を進めていく中で一定の成果をあげることができ、松尾研究所の皆様と共に『チャットコマースGPT』でさまざまな業界のGPT活用に貢献できることを嬉しく思います。各企業様が掲げるビジョンや解決すべき課題を把握した上で、成果主義の実証実験を進めてまいります」と話した。


▲ZEALS 取締役COO 遠藤竜太氏







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