2023.02.25

オイシックス・ラ・大地、「プロント」とコーヒー豆かすをアップサイクル フードロス解決型ブランドで初コラボ

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地は2月23日、アップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」において、プロントコーポレーションと共同開発した新商品「コーヒーから生まれた 黒糖あられ」「コーヒーから生まれた チョコあられ」の販売を開始した。飲食チェーン「PRONTO(プロント)」の店舗から出る抽出後のコーヒー豆かすをアップサイクル・商品化することで、外食産業のフードロス削減に共に乗り出し、事業系原料廃棄の課題解決を推進する。

オイシックス・ラ・大地の「Upcycle by Oisix」は、これまで見栄えや食感の悪さなどから捨てられていた食材をより環境負荷が低く、新たな価値を加えた自社オリジナルのアップサイクル商品として開発し、おいしく驚きのある新たな食材を生み出すフードロス解決型ブランド。2021年7月8日のサービス開始から、畑や加工現場で未活用だった食材約73トンをアップサイクルしフードロスを削減(2023年1月26日現在)。2品から始まったオリジナル商品数は63品となった。

このほど、飲食チェーン「PRONTO(プロント)」を展開するプロントコーポレーションと共同開発した新商品の販売を開始した。「PRONTO(プロント)」の店舗から出る抽出後のコーヒー豆かすを(コーヒーグラウンズ)をアップサイクル・商品化しており、甘さとほろ苦さのバランスが絶妙なサクサク食感のあられに仕上げた「コーヒーから生まれた 黒糖あられ」(430円/税込)と、「コーヒーから生まれた チョコあられ」(430円/税込)がラインアップする。


▲チョコあられ


▲黒糖あられ

すでに「コーヒー味」のクッキーやケーキなどの洋菓子は市場に多くあるため、商品化にあたっては新しいおいしさ、新鮮な驚きを伝えたいと考え、日本の伝統的な菓子である「あられ(和)」と、「コーヒー(洋)」との組み合わせが誕生した。揚げずに焼き上げた米菓となっており、米菓製造を手がけるありがとう社独自の技術を採用。練り込まれたコーヒーグラウンズには食物繊維が含まれるため、手に取ってもらうきっかけになる「罪悪感がないお菓子」として、多くの人が楽しめるよう仕上げている。

コーヒーは多くの人が日常的に楽しんでいる飲料だが、家庭ではコーヒーを抽出したあとのコーヒー豆かす(コーヒーグラウンズ)は、多くが生ごみとして処理されているのが現状だ。「プロント」においてもコーヒーグラウンズの廃棄には課題を抱えており、「Upcycle by Oisix」では、このアップサイクルに取り組むことで、家庭ごみ削減のヒント、外食産業での課題解決の両方に意義があるとの考えを示した。「プロント」では取り扱うコーヒー豆にこだわりをもって選定しており、コーヒーグラウンズには食物繊維も含まれている。「このまま捨てるのはもったいない」という気持ちから、日本らしい事業系フードロス削減の形を提示したいと考え、両社による取り組みのスタートに至ったとしている。

プロントコーポレーションではこれまでも、店内の壁面へのコーヒー豆かすの再利用、コーヒー豆かすからできた植木鉢「CAFE TSUCHIKO」の開発など、サステナブルな活動に積極的に取り組んできた。また、全日本コーヒー協会は抽出後のコーヒー粉の有効活用を推進していきたいと考えており、一般にこれまで「コーヒーかす」と呼ばれていたものの呼称を「抽出後のコーヒー粉」もしくは「コーヒーグラウンズ」とすることを提案し、普及啓蒙に取り組む発表もしている。「Upcycle by Oisix」は、新商品をきっかけにその後押しにもなればとの考えを示した。

2020年の国内のフードロス522万トンの内、事業系は275万トンだった。さらにその内訳は、食品製造業121万トン、外食産業81万トン、食品小売業60万トン、商品卸売業13万トンとなっている。「Upcycle by Oisix」では、事業系ごみの1位となっている食品製造業との取り組みとして、2023年1月にチョーヤ梅酒とのアップサイクル商品を発売した。今回の「プロント」との共同開発により、事業系ごみの2位である外食産業と取り組むことで、食のアップサイクルにはまだまだ多くの可能性があることを伝えていきたいとの考えを示した。




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