2023.02.24

サブスク販売・請求管理システム「Scalebase」を提供するアルプ、総額4.1億円の資金調達を実施

サブスク販売・請求管理システム「Scalebase」を提供するアルプは2月20日、シリーズAエクステンションラウンドにて、UB Venturesをリード投資家に、DNX Ventures、三菱UFJキャピタル、山口キャピタルを引受先とした第三者割当増資により、総額4.1億円の資金調達を実施した。提供価値の拡大に向けて、「Scalebase」の機能拡張と販売促進、新規事業の立ち上げ、それに伴う組織強化に注力する。

アルプは、継続課金ビジネスに特化した販売・請求管理システム「Scalebase」を提供。通常の販売管理システムやスプレッドシートでは困難な、顧客ごとに異なる契約条件の柔軟な管理、従量課金や日割りといった料金計算の自動化などの特徴を備え、SaaS企業や大手企業の新規事業、ビジネスモデルを転換して継続課金ビジネスを始める業界など100社以上に導入されている。


▲「Scalebase」の導入実績

このほど、シリーズAエクステンションラウンドにて、UB Venturesをリード投資家に、DNX Ventures、三菱UFJキャピタル、山口キャピタルを引受先とした第三者割当増資を実施。総額4.1億円の資金調達を行った。これにより累計調達額は約23.1億円となった。今回のラウンドでは、事業連携・パートナーシップの観点も踏まえ、リード投資家のUB ventures以外に、金融機関系のベンチャーキャピタルである三菱UFJキャピタル、山口キャピタルの参画を得ており、この先に予定する戦略立案、事業展開を見据え、支援を得る予定としている。

消費の傾向が「所有」から「利用」に変化しつつある昨今、様々な業界・企業においてサブスクリプションサービスが導入されている。2020年度のサブスクリプションサービス国内市場規模は約8692億円となっており、2024年度には約1兆2024億円にも上ると予想されている。この傾向は、BtoB領域のソフトウェアや製造業などにも及んでおり、今後さらに多くの業界・企業がサブスクリプションをはじめとした継続課金モデルのサービスを展開すると考えられる。



こうした背景も受け「Scalebase」は、2019年10月に提供を開始して以降、100社以上に導入されている。販売方法やビジネスモデルが複雑化していく中で、継続課金ビジネスにおける複雑な料金計算や請求管理に課題を抱える企業は多く、市場からのニーズを感じているとした。

アルプでは、今回調達した資金を活用し、「Scalebase」の機能拡張と販売促進に加え、業務改善支援、業務代行・BPO、新規プロダクトなどによる複数の事業展開を行う。現在対応している複雑な料金計算、請求管理から、決済・与信・ファイナンス等を含めて、お金に関係する広い領域を将来構想として見据えているとし、請求領域におけるオペレーションの負を解決し、継続課金ビジネスに携わる全ての業界・企業に対して包括的に支援する体制を提供していく考えを示した。

今回の資金調達にあたり、アルプの代表取締役CEO 伊藤浩樹氏は、昨今の厳しい市況下にもかかわらず支援を得たことに感謝の意を表明するとともに、アルプの掲げる「あらゆる企業に、フルスイングを。」というミッション、また「Scalebase」の掲げる「意思決定と実現をつなぎ、事業をスケールさせる」というプロダクトビジョンに大きな期待・信頼得たことへの喜びを示した。


▲アルプ 代表取締役CEO 伊藤浩樹氏

「サブスク販売・請求管理システム『Scalebase』は、企業における事業の拡張性・柔軟性を支えるべく、複雑な料金計算や販売形態への対応を重ねてまいりました。こうした中で、従来より相性のいいSaaS事業者はもちろんのこと、従量課金や幅広いビジネスモデルにおいても選定いただくことが増え、現在では100社以上の企業に『Scalebase』を活用いただいております。オペレーションが障害となることなく、事業の拡張性・柔軟性を担保していくこと、これが『Scalebase』、ひいてはアルプが担うべき役割です。引き続き『Scalebase』の事業成長に強く投資していくことはもちろん、決済・与信・ファイナンスといった領域で、新たなプロダクト・事業開発に注力していく予定です。アルプは、販売・請求・決済といった企業の根幹を支える領域のプラットフォーム化を進めていくと同時に、あらゆる企業が前進できる環境を創ることを目指してまいります」(アルプ 伊藤CEO)とコメントした。

本ラウンドリード投資家であるUB Venturesの代表取締役 岩澤脩氏は、アルプとの出会いは2019年、UB Venturesが運営する起業家コミュニティThinkaでした。『こんな難しい市場、スタートアップが本当に開拓できるのか?』それが『Scalebase』構想を聞いての私の第一印象でした。そこから3年、真摯にユーザーに向き合い、どんな大きな課題も決して諦めず、愚直にプロダクトを作り込んできた伊藤さんはじめアルプの皆さんの姿をみて、今回、株主として参加させていただくことを決断いたしました」と話す。


▲UB Ventures 代表取締役 岩澤脩氏

「昨今、サブスクビジネスの浸透で多くの企業の売り方が多様化しています。それに伴い、各社の契約管理は複雑化の一途をたどり既存システムでは対応できなくなりつつあります。アルプが対峙する契約管理領域は、CRMとERPの間に位置し、今後は請求、入金消込み、ファクタリング等と融合して、巨大な市場に発展する可能性を秘めています。SaaS冬の時代と言われる今だからこそ、新たな市場を開拓するアルプを長期的視点でサポートさせていただくことに意味がある。それが、新産業創出につながると信じています。UB Venturesは、チーム一丸となり、アルプのビジョンの実現に貢献をしてまいります」とコメントした。

今回の取り組みにあたり、UB Venturesの岩澤代表取締役とアルプの伊藤代表取締役CEOが、資金調達に至るまでの関係構築、これからの成長戦略などについての対談を行っており、UB Venturesのサイトにて公開している。




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