東南アジア・台湾で最大規模のEコマースプラットフォーム「Shopee」の日本法人であるショッピージャパンはこのほど、越境EC事業の担当者に対して実施した越境ECの2022年の総括及び2023年の展望調査の結果を公開した。2022年越境ECの課題は「サポート対応が難しい」が半数以上で、91.0%の企業が2023年も引き続き「越境ECに注力」と考えていることなどがわかった。
Shopeeは「東南アジア・台湾」で最大規模のEコマースプラットフォームで、シンプルかつ安全で魅力的なEコマースプラットフォームを世界中の消費者の人々に提供している。2022年12月2日～12月4日の期間、越境EC事業の担当者111名に対し、越境ECの2022年の総括及び2023年の展望調査についての調査を実施し、その結果を公開した。
2022年を振り返り、勤務先の企業が越境ECに注力していたかをたずねた問いでは、「非常にそう思う」が36.9％、「ややそう思う」が53.2％で、9割以上が越境EC事業に注力している結果となった。
2022年の年間の越境ECのマーケティング合計予算をたずねたところ、「100万円以上200万円未満」が23.4％がもっとも多く、次いで「300万円以上500万円未満」が20.7％、「200万円以上300万円未満」が19.8％だった。「500万円以上1000万円未満」の回答も14.4％あり、4割以上が「300万円以上」と回答する結果となった。
勤務先において、越境ECを開始した理由・目的をたずねた問い（複数回答）では、「リピーターの定着」（46.8％）、「新しい市場・販路の開拓」（45.0％）、「直接の海外での出店をせず、コストが削減できるから」（44.1％）、「日本製商品のニーズの高まり」（44.1％）が約45％の回答を得た。
越境ECを開始した理由・目的で、「わからない/答えられない」以外を回答した人に、選択肢以外の開始理由・目的をたずねたところ、「既存事業の不振」「為替相場の関係により」」「会社の方針で推進することになった」「事業拡大を目指した」「苦情に対する対応」など。51の回答が寄せられた。
2022年を振り返り、勤務先の越境ECにおける課題をたずねた問いでは、半数以上が「サポート対応が難しい」（51.4％）と回答した。次いで「配送料、手数料が高い」（45.0％）、「外国語対応できるスタッフの確保」（43.2％）の回答が多い結果となった。
先の越境ECにおける課題の問いで、「課題はない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、選択肢以外の越境ECの課題をたずねたところ、「現地法規への対応」「配送提携」「やり方が分からない」「人が追いつかない」など51の回答を得た。
2023年はより越境ECに注力していきたいと思うかをたずねたところ、「非常にそう思う」（31.5％）、「ややそう思う」（59.5％）を合わせ、9割以上が注力していきたいと回答した。
2023年に向けて、今後注力したいエリアをたずねた問いでは、半数以上が「シンガポール」（53.2％）と「マレーシア」（51.4％）を挙げた。3位は「台湾」（42.3％）だった。
2023年に向けて、今後行っていきたい施策をたずねた問い（複数回答）では、「Web広告施策」が55.0％ともっとも多い回答を得た。続く「SNS広告施策」（49.5％）、「コンテンツマーケティング施策」（48.6％）も半数近い回答を得る結果となった。
先の今後行っていきたい施策の問いで、「特にない」「わからない/答えられない」以外を回答した人に、選択肢以外に今後行っていきたい施策をたずねたところ、「サプライチェーンの見直し」「魅力的な商品の開発」「事業拡大を目指す」「顧客の開拓」など48の回答を得た。
本調査の結果から、越境ECの開始目的は「リピーターの定着」がもっとも多く、2022年は「越境EC」事業に9割以上が注力していたことが明らかになった。一方で、越境ECに課題を感じている担当者が多いことも分かったが、91.0％もの担当者が「2023年も引き続き越境ECに注力したい」と回答していることからショッピージャパンは、課題の解決が急務と言えるとの見解を示した。
調査の結果からも、今年のインバウンドを含め、2022年の経験を踏まえたうえでの対策を実施し、2023年はより効果的な市場拡大を目指す越境ECにしていきたい意向が伺えたとしている。また、今後の注力エリアとして、東南アジアの主に「マレーシア」や「シンガポール」が浮上しており、課題が明確になった今、新たな市場参入への準備のために越境ECに特化した専門サポートを求める担当者が増えるのではないかと推察している。
