「定期」に変わる言葉「お得にお届け便」
次に、言葉に関するA/Bテストだ。LPや申込フォームなどでは多くの企業で「定期購入」「定期コース」という言葉を使っている。
しかし、最近、「定期」という言葉はまるで“悪”のような扱いを受けている。そこで、当社では、「定期コース」に変わる「お得にお届け便」という言葉を使い、50社以上でA/Bテストを実施した。
その結果、「お得にお届け便」の方が、コンバージョン率が1.33倍も高くなった。ちなみに、「お得にお届け便」以外にも「ラクトクコース」「らくらくコース」などさまざまな言葉でテストをやっている。
その中でも、最終的に結果が最も良かったのが、やはり「お得にお届け便」だった。
また、単純に「コース」という言葉も“悪”扱いされている。これについても、「〇〇便」に変更することで、コンバージョン率は1.21倍高くなった。
その後も、こうしたA/Bテストを続けた結果、「定期コース」よりも「お得にお届け便」の方が、最終的なコンバージョン率が1.61倍も高いという結果が出た。
ただし、2022年6月1日、定期購入のトラブル対策のため、改正特定商取引法が施行され、「定期購入」の詳細な説明が求められるようになった。
売り上げやコンバージョン率が下がるのではないかと懸念する企業の方も多いと思う。しかし、改正特商法もうまく活用することで、コンバージョン率を上げることが可能だ。
当社で行ったA/Bテストは、LPなどで定期コースの説明をする場合と、最終申込確認画面で定期コースの説明をする場合で、コンバージョン率はどちらが上がるかについて、A/Bテストを実施した。結果は後者で、1.38倍も上がった。
そもそも、消費者庁がルール化したのは、「最終申込確認画面での定期コースの説明」だ。つまり、LPなどでは「お得にお届け便」といった言葉を使っていても、法律をしっかり守り、最終申込確認画面で定期コースの説明をすれば、それで問題ないということになる。
その際、誰にでも分かりやすく大きく明確に「定期購入」を説明しておけば、消費者に「定期だと思わなかった」という言い訳もされなくなる。
コンバージョン率のアップにもつながるのだ。