2022.10.18

タナベスポーツ、3年で自社EC売上が倍増 「広告」「メルマガ」「CRM」の精度向上、自社EC比率は過半数に

取締役副社長の徳永薪太郎氏

スキー用品のECサイトを運営するタナベスポーツは、新規顧客やCRMを強化したことで、自社ECサイトの売上高が3年間で2倍以上拡大している。30%程度だった自社ECサイトの売上比率は、50%を超えている。自社ECサイトを中心とした事業改善を率いたのは、2019年6月に入社した取締役副社長の徳永薪太郎氏だ。

経営コンサルタントしての実績も豊富な徳永副社長は、「以前は明確な目標設定や、目標達成のための戦略立案、結果を見ながらのPDCAが不完全だった。1年目は様子見していたが、2年目から次々と手を打っていった」と話す。


▲取締役副社長の徳永薪太郎氏


アンバサダーに武井壮を起用


広告戦略では、アスリートでタレントの武井壮氏をアンバサダーに起用し、広告の効果を高めた。

「当社は大阪の中小企業だが、全国の老若男女に知られている武井壮さんが宣伝搭になっていただけたのは大きかった。これにより、売り上げが相当伸びた。当社の信頼度が増したことで、広告のクリック率やコンバージョン率が飛躍的に上がった」(徳永副社長)と話す。

タレントを起用した販促企画を実施しただけではなく、ウェブマーケティングの定石ともいえる効果検証にもとづいたクリエーティブや予算の最適化を繰り返していった。ロジカルに効果を高めていく体制を構築していったのだ。


本気でメールの件名作成


販促強化で会員数が増加する中、CRMにも注力していった。定番のメルマガやLINE配信では、内容はもちろん、メッセージのタイトルとなる件名の作成に本気で取り組んだという。

「開封してもらえるかどうかは、受信箱の中での競争に勝てるかどうか。20文字程度の件名に命を懸けるくらい、練りに練っている。今でも私が件名を全てチェックし、作り直すことも多い」(同)と話す。

件名作成のポイントは、「今だけ、ここだけ、あなただけ」という要素を分かりやすく提示することだという。件名や内容の工夫により、LINEの開封率は60%を超える。メルマガの開封率も25%を超えることがある。開封後のクリック率も高いそうだ。

年4回、「タナベジャンボ」というキャンペーンを実施している。メルマガやLINEに登録している会員に向けて、抽選で最高3万円が当たる施策だ。これがメルマガやLINEの解約・ブロック防止に効果を発揮している。

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