2022.08.28

「ZOZOTOWN」、生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO」始動 受注生産で在庫リスクゼロ

ZOZOは9月1日、ファッションEC「ZOZOTOWN」において、ファッションブランドの在庫リスクゼロを目指す生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO(メイドバイゾゾ)」による受注販売を開始する。データ×テクノロジーの活用で、大量生産・大量廃棄の業界課題解決を目指す。

ZOZOが提供を開始する「Made by ZOZO」は、「ZOZOTOWN」上で受注生産が可能な生産支援プラットフォーム。顧客からの注文が入ると、受注データを「Made by ZOZO」に連携して工場へ発注。工場で生産された商品は、物流拠点から購入者のもとへ発送される。これまで手作業で行っていた工場での作業をデジタル化し、複数の異なるデザインの商品を同時並行で生産可能にする独自のシステムを開発することで、最低1着からの生産、受注後最短10日での発送を可能にした。さらにZOZOが所有するデータやノウハウに基づき、ブランドへの商品企画の提案も行う。



これまで一般的だった、季節ごとに一定量をまとめて生産する方法に対し、「Made by ZOZO」では「ZOZOTOWN」上で商品を受注した後に生産工程に入るため、ブランドの在庫リスクはゼロというメリットがある。過剰在庫による売れ残りリスクなしで販売ができ、商品のバリエーションを豊富に揃えることが可能になる。ブランドの要望に応じて「Made by ZOZO」を通じて得たデータを活用して、ブランド実店舗や自社ECなど「ZOZOTOWN」以外の販売チャネル向けに適正な生産量を提案するなど、ブランドの自社内における在庫リスク低減も併せてサポートする。

「ZOZOTOWN」を訪れる顧客にとっては、目当ての商品の完売による買い逃しがなくなるほか、受注生産商品を購入の選択肢の1つとして選んでもらうことで、サステナブルファッションを日常生活に気軽に取り入れることができるというメリットがある。

サービスがスタートする9月1日には第1弾として、ユナイテッドアローズ社の「info.BEAUTY&YOUTH」で受注販売を開始する。さらに今後はTSI社の「nano・universe」、シップス社の「SHIPS」など、計50型以上の受注販売を順次開始する。対応ブランドや型数は拡大予定となっている。

環境省によると、国内におけるアパレル供給量は年々増加する一方で、市場規模は縮小傾向にあることなどから、大量生産・大量廃棄の拡大傾向が懸念されるほか、常に余剰在庫を抱えるビジネスモデルへの課題が指摘されている。ZOZOは、年間購入者数1061万人を超える「ZOZOTOWN」が持つ膨大なファッション関連データや、プライベートブランド事業のノウハウを活用した「マルチサイズ」などのサービス、D2C事業等を通じて培った生産に関わる知見やノウハウを有している。それらを活用し、これまでファッションECとして担ってきた「販売」に加え、さらに上流の「生産」の支援に踏み込むことで、ファッション業界の課題解決に貢献したいと考え、「Made by ZOZO」の始動に至ったとしている。

ZOZOでは、経営戦略「MORE FASHION × FASHION TECH ~ ワクワクできる『似合う』を届ける ~」を推進する戦略の3本柱の1つとして、「生産支援に踏み込む」を掲げてており、「Made by ZOZO」の取り組みに共感するブランドやユーザーとともに、テクノロジーの力でファッション業界の仕組みをサステナブルなものにアップデートするために取り組んいく考えを示した。

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