2022.08.12

【インタビュー】スクロール 鶴見知久社長「EC・ソリューションを通販事業に次ぐ第2の柱に」


HBT事業ではM&A含め再建


――今期からスタートしている3カ年の中計では、ソリューション事業とeコマース事業を成長戦略として掲げている。理由は?

ソリューション事業はスクロールグループの第2の柱として位置付けている。その中でもウエートが大きいのは物流代行になる。後払い決済のキャッチボールや、アフィリエイトを含めたマーケティングサービスを強化する、もしもにおいては、成長が見込める。ソリューション事業においてはワンストップサービスとして、それぞれ意味のある固まりとなっている。eコマース事業においては現在、業績で苦戦している。AXESは輸入商材を扱っているので、円安状態の中で国内での価格設定は為替の影響を受けている。スクロールR&Dは、家具・雑貨やヘルス&美容雑貨の器具系を取り扱っているが、コロナの初年度が巣ごもりで伸びただけに、その反動減の影響が出ている。ただ、将来的な成長に期待しており、中計でも収益面での成長を期待している。

――今期からスタートした中計策定の狙いは?

前代表の堀田が築き上げてきた路線を私が引き継ぎつつ、そしてその先の将来に向けた布石を作っていくという前提の思想を含めたものが今回の中計だ。現在、通販事業がグループの中心として支えているが、永遠に続けられる保証はない。そのために第2の柱としてソリューション事業を位置付け、その育成に努めていく。さらにガバナンス面では、4月からプライム市場の一員として、新たに上場の位置付けとなっているので、そのマーケットで求められるESG(環境・社会・ガバナンス)といったところを、しっかりと目標を持って取り組んでいく。

――一方、グループ会社で手掛けている健康食品通販や化粧品通販事業はかなり厳しい状況が続いている。今後、どのように取り組んでいく予定なのか?

HBT事業においては昨年、事業再編を行ったし、手放したものもあるので、いったん再構築をしていく計画だ。ただ、その領域から撤退するということではなくて、てこ入れを行っていく。ECを中心に顧客基盤の構築を図っていく他、新たなM&Aを含めて再建していく計画だ。ただ、こうしたリピート系の通販において、継続的にコストをかけながら回収する事業というのは、現在のわれわれにとっては難易度が高いと感じている。いったん再編をした上で、ビジネス的にも損益構造に生かせるようにしていきたい。

――中計の行方も含めて、今後の抱負をうかがいたい。

今期は非常にコスト関係を含めて厳しい状況の中でも、予定通りの利益を計上することに主眼を置いて取り組んでいる。あとは中計で掲げている、ソリューション事業を第2の柱に育成するための基礎固めの時期と位置付けており、現場力のある経営者に託している。もう一つは、スクロールグループが標榜している、DMC(ダイレクトマーケティングコングロマリット)複合通販の戦略上として、少しでもグループに変化や刺激を与えるM&Aを実行しながら、グループの成長戦略へ影響を与えていきたい。




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