2022.08.12

【インタビュー】スクロール 鶴見知久社長「EC・ソリューションを通販事業に次ぐ第2の柱に」


スクロールは今期から、3カ年の中期経営計画(中計)をスタートさせた。ソリューション事業やeコマース事業を強化して、現在の通販事業に次ぐ柱に育成するのが狙いだ。2022年3月期の連結業績は、収益認識基準の適用で売上高は前期比38億300万円減の813億9100万円、純利益は同4億100万円増の55億8500万円だった。鶴見知久代表取締役社長に、前期業績の評価や中計の狙いなどを聞いた。



eコマース事業は収益の成長を期待


――前期業績は収益認識基準の適用で前期比の数字が公表されていないが、どのように評価しているのか?

2020年度と比較すると連結売上高は落ちているが、最終利益は増益となっており、悲観的な見方はしていない。2020年度がコロナの初年度で、通販事業はかなりプラスの影響を受けた。その要因がいつまで続くのか懸念していた。経常利益こそ若干減益となったが、最終利益は増益だったのでトータルとしては悪くはなかった。

――スクロール単体は、生協市場が堅調だったことから業績も安定していると思うが、セグメント別で見るとソリューション事業とeコマース事業が若干苦戦した印象だ。

確かに、ソリューション事業とeコマース事業は減収だった。ただ、ソリューション事業における業績は、2020年度においてコロナの影響でクライアントが自粛したし、われわれも対面の営業ができなかったために、新規クライアント開拓にかかる活動が止まってしまった。物流の移転となると経営判断になるので、相手の倉庫だとか、現在稼働している倉庫を見ないで営業案件を進めることは難しい。コロナの影響が1年続いてしまい、新しいクライアントが積み上がってこなかった。

既存のクライアントにおいても、業績の悪化や通販事業からの撤退もあり、新規の積み上げができなかった影響で苦戦した。幸い、商談はストップしていたわけではないので、移転に関わるまでの意思決定が進みづらかったが、それが昨年あたりから、せきを切ったように寄せられている。今期は第1四半期の業績で発表した通り、成長路線を取り戻しつつある。ただ、先行投資をしている分、利益率はやや悪化している。

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