2022.07.18

【連載<第2回>】これからの商品開発は「コト」づくりから~ブランドアイデンティティの構築~

ブランド・アイデンティティを構築してコト消費を創出


『モノからコト』ではなく『コトからブランド体験』をつくる新しい概念


日本はものづくり大国である一方、商品開発において「ブランドを作る」という概念があまりないように思える。優れたモノを作ろうとするが、コト(ブランディング)を作る、という考えには乏しい。

商品を企画するというと「商品(プロダクト)」と「市場(マーケティング)の2つに分けられるが、その上に「コト(ブランド)を作る」概念が必要であると考える。

なぜならSNSが台頭している現代、いいモノを作るだけでは差別化は難しいからだ。

例えば、「自然で優しい」というブランドイメージを提示したとしよう。ところが商品企画の成分に、人工の甘味料などが入っていた場合はどうだろうか。ブランドイメージと実際の商品に矛盾が生まれてしまい、その後のブランディングはうまくいかないことは明らかである。

商品や市場のニーズありきで商品を企画して、その後にBIを構築しようとすると、イメージがあと付けになり、上で挙げたような矛盾が生じかねない。商品を企画しようとすると、商品・市場のリサーチなどから入ってしまいがちである。

コト(ブランド)を作るところから始めると「自分たちの想い(商品に対する熱量・ブランド理念など)」を考えることからスタートになる。そして、コト(いかにさまざまなブランド体験を創出できるか)を考える。このBIを先に決めておくことで、矛盾のない一貫したプロダクトとマーケティングプランがうまく噛み合う、いいモノが作れるだろう。



モノからコトへといわれて久しいが、今求められるのはコトからブランド体験を創出することだ。商品企画のもう一個手前に、コト(ブランド)を作るという考え方をもってみてはいかがだろうか。





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