2022.03.08

高島屋、ショールーミングストア事業を開始 百貨店に馴染のない顧客との接点創出狙う

髙島屋およびトランスコスモスの合弁会社TAKASHIMAYA TRANSCOSMOS INTERNATIONAL COMMERCE PTE. LTD.はこのほど、ショールーミングストア事業を開始した。第1号は、4月下旬に高島屋新宿店にオープン予定。3社それぞれの強みを活かし、百貨店になじみのない顧客との接点を獲得し、新しい価値の提案を目指す。

ブランド力やきめ細やかな接客サービスを強みとする髙島屋、デジタルトランスフォーメーションの豊富なノウハウを有し、デジタルサービス・システム構築を得意とするトランスコスモス、海外への卸・小売販売事業を行う中で構築したさまざまなD2C企業との接点を強みとするTTICの3社は、ショールーミング事業のスキームを構築し、このほどショールーミングストア事業を開始した。百貨店ならではの接客サービス、ギフト機能を充実させた専用オンラインサイト、D2C企業を中心とした従来の百貨店にはない品揃えを三位一体となって実現することで、百貨店に馴染のない顧客との接点を獲得するとともに、新しい価値を提案していくとしている。

同事業では、充実したギフト機能により、様々なギフト需要に対応を図る。ギフトに適した商品セレクトに加え、専用オンラインサイトで購入した品は顧客の要望に応じてギフト包装での配送も行う。ソーシャルギフトにも対応し、SNSやメールなどを通じ、住所を知らない相手にも手軽にギフトを贈ることができるサービスも展開する。

キュレーター厳選の感度の高い品揃えで、思いがけない商品との出会いを提供するとし、「食・グルメ」「ライフスタイル」「ビューティー」「日本アート&クラフト」「エシカル」など、それぞれのテーマに精通する5人の目利きキュレーターが商品の一部をセレクト。キュレーターが商品の価値や魅力などを独自の目線で発信し、商品との出会いの場を設ける。

店頭では、専属のスタッフが展示商品の説明や専用オンラインサイトの利用方法などのアドバイスを行い、利用者のニーズに合わせたショッピング体験をサポートする。店内にはオンライン接客専用ブースを設置し、来店できない人も店頭同様の接客を受けることができる(要事前予約)。

定量・定性のレポート提供、独自の商品販売サイトなど、出展企業への手厚いサポートも特徴のひとつとなる。店内に設置したAIカメラからの取得データ、専用オンラインサイトやSNSから得た閲覧データ等を組み合わせた定量分析に加え、専属の販売員が接客での会話を通じて得た顧客の購買意欲や動機などの定性情報を提供し、出店企業はこれらの情報を今後の製品開発などに生かすことができる。専用オンラインサイトはTTICが運営を担うため、出展者は店頭用展示サンプルと販売用商品の手配など最小限の準備で、さまざまな顧客との接点を持つことができる。

第1号店は、4月下旬に髙島屋新宿店2階にオープン予定となっており、将来的には、国内外の髙島屋の店舗に加え、ASEANを中心に髙島屋以外の店舗への出店も目指すとしている。また、本事業で得たD2C企業とのネットワークを現在TTICが取り組む越境EC事業に生かすことで、出展企業に対して海外販路を提供するとともにインバウンド需要を取り込み、さらなる事業成長につなげていく考えを示した。



RECOMMEND合わせて読みたい

RELATED関連する記事

RANKING人気記事