大西グループで、雑貨や食品などの卸・仕入れ専門サイトを運営するTENTOTEN(てんとてん)は今年6月に、同社初となる一般消費者向け(toC)ECサイトを開設した。法人向け(toB)のビジネスで培ってきたノウハウを生かして約1万点の商品をそろえた。商品の組み合わせを提案するコンテンツを強みとしたい考えだ。
同社が2017年に開設した卸のECサイト「TEN TO TEN MARKET」で培った商品調達力や市場ニーズの分析力を生かして、toCのECサイト「てんとてん」を立ち上げた。「てんとてん」では、バイヤーが国内外から仕入れた商品を幅広くそろえる。
「ただ商品を仕入れて販売するのではなく、テイストやトレンドに合わせて複数商品を組み合わせてコーディネートとして提案する『自主編集力』を強みとしている」(TENTOTEN事業部 部長 河野智弘氏)と説明した。
「てんとてん」の特徴は、更新頻度の高さだ。コーディネート提案などの読み物のコンテンツや、新商品の入荷で、「2~3日に一度はECサイトが更新されている状態になる」(同)という。「用がなくても見たくなるECサイト」にしたい考えだ。
▲インテリアのコーディネートを提案する記事。この回では「韓国風」でそろえた。コーディネート提案については現在、「ナチュラル」「ビンテージ」など4種類のテイストで家具や小物を分けて、統一感のあるインテリアの組み合わせや、テイストをまたいだ組み合わせを選べるようにしている。トレンド別では「カラフルインテリア」などのテーマで、「どんな気分か」に合わせた商品を提案している。
▲4つのテイストでカテゴライズ「てんとてん」では、他のサイトにはない商品もそろえたいという狙いで、個人の作家(クリエーター)からも仕入れている。
「バイヤーは青空市に足を運ぶこともある。供給量に難しさがあるが、作り手と顧客をつなぐ『てんとてん(点と点)』としての魅力につながっていると思う」(同)と話した。
5年以内に「TEN TO TEN MARKET」と「てんとてん」を合わせて年商10億円まで伸ばしたい考えだ。中長期的には、プライベートブランドを立ち上げたいという。
「企業と一般消費者の両方のニーズやトレンドを捉えることができるのが強みとなっていく。作家とのコラボレーションもしてみたい」(同)と話した。