2024.03.26

【創業60周年インタビュー <後編>】タンスのゲン 橋爪社長・工藤副社長「3本柱で売上高1000億円へ」

新代表としての今後を話す橋爪裕和社長



2023年4月にタンスのゲンの新代表となった橋爪裕和氏は、今後の成長戦略について「地方創生」「海外」「人材」の3つを挙げた。2040年までに売上高1000億円企業を目指す。これからの同社の経営は橋爪社長と工藤直也副社長に託された。後編(全3回)では、両氏に今後の取り組みや目標、成長戦略などを聞いた。



【<前編>「シフトチェンジと震災が契機」】
https://netkeizai.com/articles/detail/10998

【<中編>「売り上げゼロからの復活劇」】
https://netkeizai.com/articles/detail/11050


課題は組織作りと人材強化


――昨年、経営陣が刷新された。どのように舵を切るのか?

橋爪:私は兼ねからずっと現場寄りで仕事を続けてきた。代表になった今も現場と近い距離にいることは変わらないが、経営者となった今、経営のことを考えることが増えた。

課題は山ほどある。ただ、重要な課題がある程度見えてきた。戦略的な施策も大切だが、そのための組織作りや人材強化が欠かせない。特に、人材の教育と採用に注力していく。直近では、海外強化が重点的な取り組みになるだろう。


▲今後の展望を話す工藤副社長(左)と橋爪社長(右)

工藤:教育では、意見の違いという良い発見をした。これらをもとに、教育体制の立て直しを行った。改めて、会社の指針などが記されている冊子「フィロソフィーノートブック」を定義した。ブックは2018年頃に作って社員に配布した。再定義したものを23年12月に配布し直した。

新たなブックには、今後のことをきちんと言語化して明記した。売り上げなどのビジョンも再度、記している。


新時代デザインIT製造小売業へ


――今後の方向性や施策はどうか?

橋爪:DXの効率的な運用はマストとし、会社としては「新時代デザインIT製造小売業」として無店舗・DX効率運用・ファブレスを特徴に、変化対応型のビジネスモデルを掲げてまい進していく。

地元の大川市は家具の町として栄えてきた。最盛期から時代の変化とともに勢いは衰えてしまった。人口も3万人と減少している。この状態を打破するため、活気を作ろうとしても人材と資金の面で難しいのが現状だ。

不安要因が多い中でも、地域の貢献や発展のため、当社は2040年までに売上高1000億円企業を目指していく。新しい事業にどんどん挑戦し、その過程で、専門人材の獲得や教育を繰り返し、会社を大きくしていく。

実は、昨年からアジア地域の他に、米国でも販売を開始している。ようやく200万~300万円の売り上げが取れるようになった。こうした新しい挑戦は、改めて大切だと感じている。今は、ドイツなど欧州も攻められないか、と新たな販路拡大も検討している。

海外事業の拡大は会社の成長のために必須だ。創業から60年経った今でもベンチャー企業精神を忘れてはいけないと思っている。

工藤:商品開発を長年担当してきた身としては、変わり続ける世の中に対応するためには、これまでの成功体験を捨て、新しいことにチャレンジし続けることが必要だと考えている

商品開発は今後の成長のための重要な部分となる。現在の商品開発の組織においても意思決定や開発スピードはだいぶ早くなっている。この環境をさらにボトムアップ化させて、意思決定できる人材を増やし、組織力の強化を進めていく。

すでに、リーダーなどのポジションを作って、社長に直接プレゼンする組織体に変わりつつある。こうした環境を継続させ、一人一人の成長と同時並行で組織強化に取り組む。

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