日本と中国のECモールの市場動向データを提供するNint(ニント)はこのほど、EC事業者向けビッグデータ解析ツール「dataNexus(データネクサス)」の提供を開始した。Nintがこれまで提供してきた「Nint ECommerce(ニントイーコマース)」が持つ、国内3大ECモールのデータ集計機能が、さらに使いやすくなった。グローバル水準のBIツール「Tableau(タブロー)」をデータ分析基盤に採用することで、導入企業に合わせてカスタマイズして使えるという。ECモールの運営担当者や商品開発担当者のデータ分析の作業効率が格段にアップするとしている。Nint執行役員の今田雅也氏と、プロダクトマネージメントUnitの岡本亮ユニットリーダーに、話を聞いた。
複数モールのデータを一画面で確認
――「dataNexus」で実現できることは何ですか?今田:メーカーのEC担当者や商品開発担当者などが、ECモールの競合を分析したり、市場のシェア、売れ筋商品などのデータを調べたりする作業が、格段に効率的になります。
当社ではこれまで、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの三つのECモールの分析ができる「Nint ECommerce」を提供してきました。3大ECモールで販売される商品の売上金額や販売数量、特定店舗のモール内の広告出稿データなども集計できるようになっています。
「dataNexus」は、「Nint ECommerce」の機能を、より直感的に利用できるUI・UXに変更しました。企業に合わせて、自由にカスタマイズできる点が特徴です。
例えば、自社の一つの商品について考えたとき、楽天市場で売れていても、Amazonでは売れていないといったケースはよくあります。3モールを一つの管理画面で横断的に確認できるようにしたことで、「どの商品がどのモールで売れているのか」といったことが、一目瞭然となります。
▲Nint執行役員の今田雅也氏岡本:より具体的に言うと、「Nint ECommerce」では、3つのモールのデータを確認する際、画面を切り替えてそれぞれ確認する必要がありました。
「dataNexus」では、3モールのデータを一つの画面上で確認できます。3モール全体の市場動向を見ながら各モールの状況も横並びで把握することができますから、どのモールが伸びていてどのモールが伸び悩んでいるのかが、一目で分かります。さらに、「ジャンル」「ショップ」「商品」と順を追って深堀りし、売れ行きの要因がどこにあるのかを確認することができます。
また、「モールの成長率と自社の成長率」「競合他社のシェアと自社のシェア」といったように、市場や競合と比較して自社のポジショニングを把握することも容易になります。
「dataNexus」のシステムの基盤となるBIツールには、国内外問わず多くの企業で利用されている「Tableau」を導入しました。
「Tableau」を利用しているため、Nintが独自で持つECモールのデータと、「dataNexus」を導入いただいた企業が保有する自社データを、組み合わせて分析することも可能です。
バラバラのデータを組み合わせやすく
――「dataNexus」はどういったニーズにこたえるサービスですか?今田:「dataNexus」は、カスタマイズ性が非常に高い点が特徴です。大手メーカーのEC担当者や商品開発担当者などは、「ECモール市場ではどんな商品にニーズがあるのか」「どんなジャンルにトレンドがあるのか」といった情報を日々追っています。収集したデータを、店頭販売のPOSデータなど、さまざまなデータと組み合わせて分析を行ったりしています。組み合わせて分析したデータを、社内のプレゼン資料や営業用資料に落とし込んだりもしています。
ECやPOSなどバラバラなデータを組み合わせるのには、時間がかかるという課題がありました。「dataNexus」では、導入企業の要望に合わせて、あらかじめカスタマイズして、データを組み合わせやすい形でアウトプットできます。
岡本:「dataNexus」を提案中の企業や先んじて導入していただいた企業からは、「複数のモールの情報が一覧で見られて効率的だ」「こちらの要望に合わせて見たいデータを組み合わせられるのは使い勝手がいい」など、UI面とカスタマイズ性を特に評価いただいています。当初想定していたニーズは間違いなくあると考えています。
▲プロダクトマネージメントUnitの岡本亮ユニットリーダー「dataNexus」のサービスプランには2つのパターンを用意しています。あらかじめ用意されたテンプレートの中から、希望するものを選ぶ「パッケージプラン」と、自社の完全なオリジナルとして構築する「オーダーメイドプラン」です。
■「dataNexus」の詳しい内容はこちらへhttps://datanexus.nint.jp/