2023.11.14

アリババグループ、「独身の日」流通総額は前年比で増加 ライブ配信やAI活用が奏功

アリババグループはこのほど、「11.11(独身の日)」キャンペーンにおいて、「タオバオ」「天猫」などの流通総額(GMV)、注文数、参加加盟店数が前年比で増加したと発表した。

「11.11(独身の日)」としても知られる、数週間にわたるこのショッピングフェスティバルは、大小を問わず小売業者にとって中国の消費者と関わる上で極めて重要だ。コンサルタント会社ベインの分析によると、昨年の11.11の業界全体のGMVは1兆元を超え、2022年のサイバーウィーク中に生み出されたGMVの4倍以上となった。

「タオバオ」と「天猫」は今年、10月24日から11月11日までキャンペーンを実施した。今年の消費者心理のバロメーターとして、中国国営郵便局は11月12日、フェスティバル期間中の速達便の量が過去最高を記録したと発表した。11月1~11日の間、荷物量は52億6000万個に膨れ上がり、前年比23.22%増となった。11月11日には、6億3900万個の小包が中国中を飛び交い、前年比15.76%増加した。

「タオバオ」と「天猫」はキャンペーン期間中、お買い得な商品とライブストリーミングが人気を博した。販売事業者にとっては、AI(人工知能)を活用したツールが効率的なマーケティングキャンペーンに役立ったという。

「タオバオ」と「天猫」の責任者であるトゥルーディ・ダイ執行役員は、「『タオバオ』と『天猫』の堅調な業績は、競争力のある価格設定、多様なコンテンツ提供、キャンペーン期間中の消費者と販売者の体験をさらに最適化するAI主導技術に重点を置いた当社のユーザー第一戦略の成功を反映している」と述べた。


倹約へシフト、価値を求めて買い物


今年は経済的な逆風を受けて消費者がより慎重になった。コンサルティング会社ベインが独身の日の買い物客に、フェスティバル期間中にお金を使う最大の理由を尋ねたところ、45% が主に価値を求めていると回答した。

中国小売専門家のアシュリー・ドゥダレノック氏は、「人々は2023年の取引を探している」と述べた。

「タオバオ」と「天猫」の15%値下げを提供する直接割引会場では2億1000万件の注文を記録し、メーカーの価値のある製品を特集した会場では9000万件近くの注文が発生した。

一部の販売業者は、さまざまな方法で中国人消費者に価値を提供しようとした。英国の美容テクノロジー企業CurrentBodyは、4-in-1マスクを備えた高周波デバイスを「天猫」の顧客にプレゼントした。「これは、私たちがこれまで世界中の誰に対しても提供した中で最高のオファーです」とCurrentBodyのローレンス・ニューマンCEOはインタビューで語った。

11月11日の中国標準時(CST)午前0時の時点で、402のブランドがそれぞれGMVで1億元(1372万ドル)を超え、3万8000のブランドがGMVを前年比で2倍以上に伸ばした。

「中国には根底に深い関心がある」と世界小売会議会長のイアン・マクガリグル氏はアリジラとのインタビューで語った。


ライブストリーミングが活況


コンサルタントらによると、多くの人が、ショッピングとエンターテインメントの境界があいまいになるライブストリーミングを採用したという。

スポーツ ブランド「FILA」は、「11.11」の期間中に専用のライブストリーミング チャンネルを開設したブランドの1つだ。「FILA」のホストのグループは、10月24日のストリームでのプレセール中に1億人民元を超える取引額を生み出しました。


▲カウントダウンイベントの様子

「タオバオ」と「天猫」によると、11月11日午前0時時点で、38の業者が運営するライブストリーミングチャンネルがそれぞれGMVで1億人民元以上の収益を上げており、GMVで1億人民元以上のチャンネルの60%以上を占めているという。キャンペーン期間中に、加盟店が運営する451のチャネルがそれぞれ1000万人民元以上のGMVを記録した。


AIで検索をサポート


買い物客はAIを利用して、最高のバーゲン品を見つけることができるかもしれない。

9月のベータ版公開以来、何百万人ものユーザーがタオバオアプリの組み込み生成AIアプリケーション「タオバオ・ウェンウェン」を試してきた。このアプリケーションは、買い物客が検索を絞り込むのに役立ち、AIを活用した質疑応答セッションを通じて消費者の意思決定を支援する。

消費者はより慎重なムードにあるにもかかわらず、生成AIの台頭により、販売業者はコストを削減することが可能になったという。

Alibaba Cloud は、ショッピング フェスティバル中に販売業者が効率性を高めるのに役立つ多数のAIツールを利用できるようにした。「タオバオ」と「天猫」の加盟店は、「11.11」の準備期間とキャンペーン中、AIツールを15億回以上使用した。






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