2023.10.13

東急、海外ファッションのオンライン卸売プラットフォーム「makepre」開設 韓国の約30ブランドから提供開始

東急はこのほど、「社内起業家育成制度」第9号案件として、海外ファッションブランドのアパレル、バッグ、シューズなどの仕入れをECサイト上で実施できる、日本のバイヤー向けのB2B向けオンライン卸売プラットフォーム「makepre(マケプレ)」をスタートした。実証実験の第1弾として、日本未展開のブランドを含む、韓国の約30ブランドの仕入れが可能。新規の海外ブランドを探したいバイヤーなどに向け、時間的・金銭的コストを抑え、質の高い仕入れの実現をサポートする。

東急では、事業を創造する意欲・能力を有する従業員を支援し、広くフロンティア・スピリットを喚起することで新規事業創出のスピードアップを図り、東急グループの活性化と持続的成長を目的とした「社内起業家育成制度」を設けている。

このほど、同制度の第9号案件となる「makepre」をスタートした。「makepre」は、海外ファッションブランドのアパレル、バッグ、シューズなどの仕入れをECサイト上で実施できる、日本のバイヤー向けのオンライン卸売プラットフォームサービス。商品を輸入するうえでの輸入申告や税関審査などの煩雑な手続きも代行するため、海外ブランドの商品を仕入れる際の手間を省くことができる。

昨今の日本のファッション業界は、コロナ禍を契機に売上が低迷傾向となり、出張を伴うコストのかかる仕入れが困難なうえ、大衆の支持を得やすく、売上が見込まれる仕入れに偏ってしまう傾向にある。その結果、店舗ごとに個性を出すことが難しく、日本のファッション業界においては新たな価値が生まれにくいと言われている。

「makepre」は、新規の海外ブランドを探したいバイヤー、海外に仕入れに行く時間をとることができないバイヤー、海外ブランドとの接点が少ないバイヤーに対して、時間的・金銭的コストを最小限に、質の高い仕入れの実現をサポート。日本国内のみの仕入れ活動では出会うことのできない、海外の多彩で個性溢れる商品を仕入れることができ、店舗の独自性や魅力が向上する。また、旬な商材を小ロットで仕入れることができるため、仕入れ時の利便が高まり、店舗のラインナップが豊かになることで、多様化された消費者のニーズに応えることもつながるとしている。



一方、海外ブランドにとっては、より簡便に日本市場に進出でき、ビジネスチャンスの拡大が可能というメリットがある。本サービスにより、日本のバイヤー、および海外ブランドにとって国境を超える取引が身近になり、双方のビジネスの発展に繋がるとしている。

「makepre」は、10月11日からはECサイトへの先行会員登録、10月25日からはECサイト上の仕入れが可能となり、実証実験の第1弾として、韓国で注目を浴びているブランドや韓国の新興ブランドなど、日本未展開のブランドを含む韓国の約30ブランドの商品をECサイト上で仕入れることができる。また、定期的にバイヤー向けの商品展示会を実施し、ECサイトに掲載している商品の実物を見られる機会を提供するとしている。


▲発注から納品までの流れ

実証実験の第1弾においては、韓国の大手企業である新世界百貨店が韓国のブランドの出店サポートを、韓国政府機関であるKOTRA(大韓投資振興公社)が貿易輸出サポートを行っており、韓国のブランドが安心して商品を出品できる仕組みを構築している。今後は、実証実験で得られた成果やユーザーからの声をもとに検証を重ね、取り扱う海外ブランドのエリアやブランド数を拡充しながら、引き続きサービスの価値向上・発展に取り組む。

事業提案者である東急のフューチャー・デザイン・ラボは、「商業施設運営のテナントリーシングにおいて、海外ブランドの誘致が非常にアナログかつ困難という自身の経験から本事業の着想を得ました。海外にはよいブランドが多くあるにも関わらず日本には一部しか入ってこないことが非常にもったいないと感じ、より簡便に海外ブランドと繋がる方法は無いかと考えました。そこで、ECサイトを活用して日本にいながら気軽に海外ブランドとマッチングできるサービスがあれば便利なのではないかと考え、本事業を提案しました。今後は韓国のブランドだけでなく、ASEANエリアやアメリカ、ヨーロッパなどに取り扱う海外ブランドのエリアを拡大しながら、卸売以外の付帯サービスの拡張も視野に入れ、本サービスがバイヤーとブランドの双方を支えるサービスとなれるよう挑戦します」とコメントした。

東急は、新しい価値観やライフスタイルに柔軟に対応するサービスを通じてさまざまな価値を提供してきた。「makepre」により、バイヤーの質の高い仕入れを実現することで、商品購入時の選択肢を増やし、多様化するニーズに応えつつ暮らしの豊かさを提供することを目指すとしている。




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