2023.09.29

【月間278時間の製造作業工数を削減】インフォア、フジキンとクラウドサービスの活用についてセッション

ビジネスラウンドテーブルではクラウド化によるDXのメリットが開設された

世界的なERP(基幹情報システム)ソフトウェア企業であるインフォアは9月20日、メディア関係者などを招いたビジネスラウンドテーブルを開催した。ビジネスラウンドテーブルでは、金属プレス加工などを行うフジキンの荒金賢治社長が登壇。クラウドサービスを活用することで、製造に関する業務工程を月間278時間削減した事例などを語った。


世界で1万4000社と契約


インフォアは、米国ニューヨークに本社を持つクラウドERPベンダー。世界中で1万4000社の法人顧客と契約しており、年商は約33億ドル(約490億円)だとしている。現在は、米国で石油やエネルギー、繊維、金融などを扱うコーク・インダストリーズの100%子会社となっている。


▲インフォア・アジア太平洋地域・日本担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのテリー・スマグ氏

9月20日に行われたビジネスラウンドテーブルでは、インフォアのアジア太平洋地域・日本担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるテリー・スマグ氏が登壇。同社の日本のクライアントの中には、同社のクラウドERPサービスを導入することで、売上高が年間平均46%成長した企業もあることなどを明らかにした。

スマグ氏によると、同社のクライアントの中でも特に、店販・流通系企業や、自動車メーカーなどの成長性が高いとしている。流通系企業は、倉庫管理や在庫管理システムをクラウドサービスに一新することで、既存のシステムをカスタマイズすることなく、業務の効率化を図ることができているという。


ERPなどクラウド化で13億円増収につながる


フジキンの荒金社長とのセッションでは、フジキンが、社内のさまざまなシステムをクラウド化したことで、従業員の作業効率や生産効率が向上し、結果的に売り上げも大幅に上がったことなどが語られた。ERPも含めた全包囲DXを実施することで、大型の新規顧客獲得も実現。2023年3月期の売上高は、前期比13億2000万円多い、32億8500万円になったとしている。


▲ERPなどのクラウド化のメリットを語るフジキンの荒金賢治社長(左)

フジキンでは、パーツメーカーに納品するための自動車部品などを製造している。荒金社長によると、同社では、コロナ禍において、納入先の工場の生産が急停止するケースもあったという。逆に発注が急増したりするケースもあり、ニーズの急減少・急拡大を経験したとしている。現在では、電気自動車の部品のニーズが高まり、自動車部品の生産集約などが見られるという。「5年後のパーツの生産ラインを確保してほしい」といった依頼もあるとしている。

荒金社長はコロナ以前からこうした、自動車部品のニーズの変化に備えるため、社内の効率化を進めてきたという。社内の業務システムを効率化することにより、ニーズの変化に対応できるようにしているそうだ。

同社では現在、インフォアのクラウドERPシステムを中核として、プロジェクト管理、コミュニケーションツール、財務管理システムなど28部門においてクラウドサービスを導入しているという。「クラウド化のきっかけは、私がどこでも仕事ができるようにしたかったことだった。人員を増やさずに、生産量を増加させられるように、さまざまなシステムのクラウド化を図った」(荒金社長)と話した。 

荒金社長によると、ERPをクラウド化することにより、サーバーを自社で持つリスクを避けることができるという。「クラウド化すると、セキュリティーに関するOSの更新や、新機能の追加などの開発は、ベンダーが行ってくれる。重要なのは、システムを使いこなすための社内のチームビルディングだ」(同)と話した。









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