2023.09.18

タカキュー、独自の「接客OMO」で巻き返し図る 実店舗でEC利用促進

デジタル営業部 遠藤優太部長

ビジネスウエアなどを展開するタカキューは、生活様式の変化や物価高騰の影響を受け、業績が悪化している。新たなOMO施策を加速して巻き返しを図るという。実店舗で販売スタッフがECサイトの利用を促す取り組みを強化している。

店舗の接客力を生かした独自のOMO施策で、新規顧客の獲得を目指す。2021年11月から来店客から店舗に置いていない色やサイズの要望を受けたときに、その場でECサイトでの購入を勧めるようにしている。

「店舗スタッフが接客の一環として、ECサイトの使い方や補正などの設定を支援する。機会損失を防ぐのが目的だ」(デジタル営業部遠藤優太部長)と話す。

組み合わせやサイズ感を提案できる店舗の接客力と、品ぞろえが豊富なECサイトの両方の強みをかけ合わせたOMO施策だ。

この施策について、「店舗スタッフの理解を得るまでが大変だった。普段の接客のスキルに加え、ECサイトに関する知識を付けてもらう必要がある。マニュアルや教育動画を用意した」(同)と語る。

同社のカスタマーサポートは、顧客対応だけではなく、店舗スタッフの問い合わせにも対応する。

「スタッフからEC関連の問い合わせが増えた。現場経験のある人が対応するので、本部と店舗の状況を把握しながら相談に乗ることができる」(同)と言う。

このOMO施策を通したECのリピート率は約30%と高い。

「一度、店頭で採寸すれば、次からはECサイト上で購入しやすくなる。ランク制度によるクーポンなどの特典もリピート率向上に貢献しているのではないか」(同)と分析する。


▲OMO接客時には店舗と同様の補正ができる(画像はECサイトより、補正を指定するページの一部)

ECサイトでは、修理・補正サービスを拡充したり、モデル画像に指定したアイテムを着用させて確認できる「キセカエ」機能を提供したり、利用しやすい環境を整えてきた。今後も品ぞろえやサービスをさらに強化する方針だ。


▲「キセカエ」でコーディネートをすぐに試すことができる

「ECサイトでは、若年層向けの低価格なアイテムの品ぞろえを強化する。新規顧客を獲得することで、全体を底上げし、現状を打破したい。EC化率は20%を目指す」(同)と意気込みを示す。





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