2023.07.28

富士ロジテックホールディングス、自律走行搬送ロボットを導入 実証実験により省人化と生産性の双方で効果確認

富士ロジテックホールディングスは7月24日、「ALFALINK相模原物流センター」において、物流ロボットをサブスク型で提供するプラスオートメーション社の自律走行搬送ロボット(AMR)の「JUC-S800R」を導入した。実証実験により、省人化と生産性の双方で効果を確認し、正式な運用を開始した。

富士ロジテックホールディングスは、倉庫業を中核とした総合物流会社。鋼材だけでなく、食品、医薬、アパレル、文書など取り扱い品目は多岐にわたり、全国にそのネットワークを有する。

このほど、神奈川県の「ALFALINK相模原物流センター」において、物流ロボットをサブスク型で提供するプラスオートメーション社の自律走行搬送ロボット「搬送AMR JUC-S800R」を導入した。


▲導入した自動搬送ロボット

「JUC-S800R」は、パレットを下から持ち上げるジャッキアップ型のAMRで、800kgまでの荷物を回転させずに自動で積み下ろしできる。自己位置を推定して自律走行するので、現状のレイアウトを変更する必要がなく、庫内のさまざまな環境に合わせて運用が可能だ。

このほどAMRを導入した「ALFALINK相模原物流センター」は、保有面積約5500坪を有し、最長距離は横方向200m、縦方向70mにおよぶ。これまでピッキング作業は、フォークリフトを用いて作業員が行なっていたが、その移動時間が課題となっていた。さらに同センターは、入出庫バースが同居しており、異なる商材を組み合わせて出荷することも多く、柔軟なオペレーションが求められている。

富士ロジテックホールディングスは、こうしたの課題解決を目的に、2023年1月より約3カ月の期間をかけ、プラスオートメーション社と共同で自律走行搬送ロボットを用いた実証実験を行なってきた。



同センターは、作業員とフォークリフトがロボットと混在して動き回る環境となっており、効率化だけでなく、安全かつ確実に作業が遂行できるようロボットの走行ルートや作業プロセスのデータを蓄積。ロボットがより正確に位置を計測できるよう反射ポールを設置するなど、現場でのフィードバックを生かした改善も繰り返した。

その結果、従来の作業員とフォークリフトを用いた作業に比べ、コスト面では約35%の削減に成功。同作業に関わる人員をトラックへの積み込みや庫内の配置変更など、人でなければ難しい付加価値の高い作業へ配置することができた。検証の結果、省人化と生産性の面で効果を確認できたことから、今回の正式な運用開始に至ったとしている。

富士ロジテックホールディングスは、今後も顧客の多様なニーズに応える物流ソリューションを提供していくには、物流ロボットが人と共に働く、ハイブリッドな現場を実現していく必要があるとし、プラスオートメーション社のサブスク型の物流サービス「RaaS(Robotics as a Service)」は、日々技術が進歩するなかで、常に最新のロボットやシステムを導入できるメリットがあるとの考えを示した。

今後も業務効率化と利益率改善を継続的に推進しながら、顧客に寄り添ったサービスを提案するとしている。




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